(出典:フォレシアHP)
さまざまな理由で子どもを持つことが難しい夫婦が取り組む、不妊治療。
日本で不妊治療に取り組んでいる、取り組んだことがあるという夫婦は実に5.5組に1組といわれ、非常に身近な問題となっています。
一方で、不妊や不妊治療についての正しい理解は多くの場所でされておらず、それゆえに当事者である夫婦が困難に直面する機会も多くあります。
「不妊に悩んでいる夫婦の力になりたい」
「安心して不妊治療に取り組める環境を実現したい」
今回は、そんな思いを持つ方に向けて、不妊に悩む夫婦を支援する団体を3つご紹介します。
目次
不妊治療にまつわる豊富な情報で納得した治療を(Fine)
不妊に悩んだり、不妊治療に取り組んでいる人は非常に多いにも関わらず、その内容が正しく知られていないため特別視され、なかなか当事者がそれについて周囲に相談できないという現状があります。
Fineはそんな課題を解決し、「不妊をもっと”普通に話せること”に」というゴールを掲げ、活動を行なっている団体です。
具体的な活動としては、ホームページやSNSを通じた不妊にまつわる情報発信や、不妊で悩む女性たちが対話できるイベントの企画、企業や政府への働きかけなど。
特に情報発信やイベントの実施は非常に活発に行われており、スタッフが執筆しているブログやSNSが頻繁に更新されています。
また、Fineは国際的な不妊患者団体連合(iCSi=International Consumer Support for Infertility network)に参加しており、定期的に各国の不妊治療に関する情報交換を実施。
その内容を日本での活動に反映しているそうです。
活動内容 | 不妊・不妊治療の正しい理解を深めるための情報発信・イベント企画など |
活動地域 | 日本国内 |
支援対象 | 不妊・不妊治療に悩む当事者、それを支える行政・企業・医療関係者など |
寄付の使途 | イベント等、不妊・不妊治療の啓発にまつわる企画の運営費用など |
運営団体 | NPO法人Fine |
Fineでは、年会費3,000円以上の賛助会員、また主に不妊体験者を対象とした年会費1,200円の正会員を募集しています。
会員になると、Fineが実施しているイベントの割引が受けられたり、活動報告がメールで届いたりと、さまざまな特典が受けられるようです。
自身も不妊・不妊治療についての理解を深めながら当事者を応援したい、と思われる方はぜひこちらから寄付を検討してみてはいかがでしょうか。
企業支援を通じて不妊治療で離職せざるを得ない現状を変える(フォレシア)
日本では、多くの夫婦が不妊治療を受けていますが、その治療には継続的に通院する必要があったり、体調が不安定になったりすることも多いといいます。
それゆえに、不妊治療をしている4人に1人が仕事との両立に難しさを感じ、離職しています。
フォレシアは「子どもを望むすべての人に、納得できる選択を」を掲げ、特に不妊治療と仕事の両立を実現するための活動を行なっています。
具体的には、以下の5つの課題を解決を目指していると記載がありました。
①不妊治療と仕事の両立
フォレシアHP
②身体的・精神的負担
③経済的負担
④若年層の不妊に関する知識不足
⑤不妊治療の地域医療格差
特に、企業側が不妊治療について正しく理解するための企業研修の提供や、会社としてのサポートの仕組みの構築伴走支援等に力を入れており、ホームページには導入企業の事例も多く紹介されていました。
また、その他にも不妊治療について理解がある企業と当事者を繋ぐ転職・就活サイトの運営や、若年層に対する啓発活動も併せて行なっています。
活動内容 | 不妊治療と仕事の両立を実現するための企業研修・サポートの実施など |
活動地域 | 日本国内 |
支援対象 | 不妊治療を受ける夫婦を応援する企業・自治体など |
寄付の使途 | 大学生や若年層に不妊とキャリアの関係を伝える教育支援など |
運営団体 | NPO法人フォレシア |
フォレシアでは、都度の寄付と継続寄付、両方を募集しています。
さらには、より多くの方に不妊治療という社会問題を知ってほしいという思いで、「日常の中で行えるハードルの低い寄付」方法をたくさん用意されているのが特徴的です。
まずは気軽にこの問題解決を応援してみたいという方は、ぜひこちらからご自身にあった支援の方法を検討してみてはいかがでしょうか。
卵子提供できる女性を募り、体外受精を実現する(OD-NET)
生まれつきの病気等で子どもを授かることができない女性にとって、他の女性から卵子の提供を受け体外受精を行うという方法は、唯一希望の持てる治療法です。
しかし、現状日本では卵子提供は姉妹・友人からのみに限られ、提供者がいない場合には、高額の費用を払って海外で治療を受けるしかありません。
OD-NETは、そんな女性たちのために卵子を提供してくれる女性を募り、協力施設で卵子提供による体外受精が実施できるよう、サポートを行なっています。
ご存じですか?
OD-NET HP
ターナー症候群で卵子がない女性は二千人に一人
若くして月経が止まり、卵子が無くなる早発閉経の女性の割合は百人に一人
こうした事情でお子さんに恵まれないご夫婦のために、卵子を提供していただける方を探しています。
さらには、医療機関や国への働きかけを通じて、卵子提供による不妊治療の理解の促進や、支援体制が充実し、この治療法がより一般的になっていくことを目指しているそうです。
活動内容 | 卵子提供ドナーの募集・体外受精実施のサポート、国や医療機関への啓発活動 |
活動地域 | 日本国内 |
支援対象 | 生まれつきの病気等で子どもを授かることができない女性 |
寄付の使途 | 卵子提供ドナー登録の仕組みの運営費用、啓発活動にまつわる費用 |
運営団体 | NPO法人OD-NET |
OD-NETでは現在、都度の寄付のみ募集をしています。
ホームページから申し込みをすると、振り込み用紙が送られてくるそうです。
代表の岸本さんは大学での研究会への講演や、卵子提供・不妊治療を題材とした映画等への寄稿などの発信も積極的に行われており、その内容はホームページでも紹介されています。
病気で子どもを授かることができない女性たちの選択肢を少しでも増やしたい、と思われる方は、こちらから寄付を検討してみてはいかがでしょうか。
以上、不妊に悩む夫婦を支える団体を3つご紹介しました。
ぜひ皆さまが寄付をされる際の参考にしていただけると嬉しいです。