(出典:放課後NPOアフタースクールHP)
子どもの頃、思う存分部活や習い事、勉強に励み、その経験が大人になってからも活きている、という方は多いのではないでしょうか。
一方で、貧困や自然災害、家庭の事情などから”夢中”になれるものを持てない子どもや、学校の外に居場所がない子どもが現在の日本には多く存在します。
本記事では、学校の外での子どもの学び・成長をサポートする3団体をご紹介します。
目次
被災した子どもが、安心して勉強できる「コラボ・スクール」を運営(カタリバ)
自然災害により、学ぶ場所を失った子どもたちに安心できる居場所と落ち着いて勉強できる環境を提供しているのが、認定NPO法人カタリバです。
2011年の東日本大震災。
地震と津波により被災し、仮設住宅に暮らすことを余儀なくされた子どもたちが大勢いました。
狭い仮設住宅は、自分の部屋を持てなかったり隣室の生活音が筒抜けだったりと、集中して勉強することが難しい環境です。
さらに、家族を失ったり、生活環境が大きく変わったことで心が不安定になってしまう子どもも少なくありません。
当時のこのような状況を受けて、「災害によって夢を諦める子どもを生まないために」学習支援と心のケアを行う放課後学校「コラボ・スクール」が開校しました。
コラボ・スクールでの具体的な活動は、以下の3つ。
1.学習場所の提供
小学生から高校生の学習をサポート。
グループ形式での授業のほか自習室も開放し、勉強部屋がなくなってしまった子どもたちに学習の場所を提供しています。
2.ナナメの関係性づくり(心のケア)
コラボ・スクールに通ってくる子どもたちの様子は、職員やボランティアスタッフが見守ります。
親とも学校の先生とも、友だちとも異なるこのナナメの関係性の中で、学習や生活の相談に乗ることも。
子どもたちが安心できる「居場所」になります。
3.人材育成
今、コラボ・スクールでは子どもたちを「復興の担い手」として育成することに注力しています。
オンライン英会話レッスンやキャリア教育、ワークショップなどを通し、子どもたちがより広い視野で未来を描くサポートをします。
コラボ・スクールは岩手県大槌町、宮城県女川町、福島県双葉郡からスタート。
その後、2016年の震災で大きな被害が出た熊本県益城町においても展開しました(現在は益城町教育委員会に事業を移管し、支援を終了しています)。
活動内容 | 安心できる居場所の提供、学習支援、食事支援、災害時の居場所の提供や学習支援、探究学習の実践支援など |
活動地域 | オンライン(全国)、岩手県、宮城県、福島県、東京都、島根県に加え、各地域団体を後方支援 |
支援対象 | 主に日本の小学生〜高校生など |
寄付の使途 | 人件費、教材・備品・消耗品費、移動・交通費など |
運営団体 | 認定NPO法人カタリバ |
カタリバはコラボ・スクールの他にも、貧困に苦しむ子どもや学校に行けない子どもたちの居場所づくり、キャリア教育、行政と連携した体験プログラム作りなど、幅広い教育支援を展開しています。
そんなカタリバは毎月定額を寄付する「NPOカタリバサポーター」を募集しています。
カタリバによると、毎月1,000円の寄付で、生徒1人が1ヶ月間の授業を受けられるそう。
一人でも多くの子どもが未来を拓くために、あなたも寄付をしてみませんか?
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
地域のボランティアが、多様なプログラムを提供(放課後NPOアフタースクール)
放課後NPOアフタースクールは、子どもたちの放課後の居場所づくりに取り組んでいる団体です。
すでにご存知の方もいるかと思いますが、現代の日本には、子どもたちが安心・安全に過ごせる場所は多くありません。
さまざまな規制から使えなくなった遊び場所や、できなくなった遊び。
また、子どもが巻き込まれる事件の約6割〜7割は、学校が終わった15時〜18時に起きているというデータも存在し、放課後は子どもたちにとって「魔の時間」とも呼ばれます。
「過ごす場所が限られた放課後、1人で過ごす放課後、
放課後NPOアフタースクールHP
やりたいことが出来ない放課後、
そんな放課後が子どもたちの心を締め付けています。」
小学生の子どもが抱える「放課後」にまつわる課題を解決しようとしているのが、放課後NPOアフタースクールです。
放課後NPOアフタースクールでは、授業終了後の小学校を利用して、子どもたちが様々なアクテビティに参加できるアフタースクール事業を展開しています。
アフタースクールのプログラム内容は、そろばんから理科の実験、和太鼓体験やプログラミングなど多種多様。
「自由で学び豊かな放課後づくり」を目指しているからこそ、子どもたちの希望に最大限寄り添います。
活動内容 | 子どもたちに豊かな体験を提供する放課後プログラムの企画・実施 |
活動地域 | 東京都、埼玉県、千葉県、山形県、神戸市など |
支援対象 | 小学1年生〜6年生 |
寄付の使途 | プログラム開発費、材料費、おもちゃ、遊具など |
運営団体 | NPO法人放課後NPOアフタースクール |
特徴的なのが、地域のボランティアの方がそれぞれのプログラムの先生として活躍していること。
その地域にいるそれぞれの特技やキャリアを持った大人を発掘して「市民先生」としてプログラムに参画してもらっています。
これも「社会で子どもを育てる」というミッションを掲げている放課後NPOならではの取り組みではないでしょうか。
さらに企業や行政とも協働して、子どもたちの放課後を充実させる取り組みを進めています。
より多くの大人を巻き込みながら、みんなで子どもを育てる社会をつくっている放課後NPOアフタースクール。
「放課後NPOサポーター」として、継続的に運営を支援するのはいかがでしょうか?
年間3,600円(年1回の引き落とし)からと、手軽に始められますのでぜひ検討してみてください。
その他、都度の寄付やインターン、ボランティアも募集しています。
気になった方はチェックしてみてくださいね。
貧困で苦しむ子どもに学習塾や習い事の機会を(チャンス・フォー・チルドレン)
先にご紹介した2団体とは少し異なり、「スタディクーポン」という形で子どもたちの学びをサポートする団体もご紹介したいと思います。
「経済格差」と聞くと、どこか発展途上国での課題のように思われるかもしれませんが、日本もその例外ではありません。
親の所得格差や家庭の経済格差は子どもへも直接影響を与えます。
チャンス・フォー・チルドレンHP
世帯収入の低い家庭ほど子どもの学力テストの正答率が低い、というデータも出ており、家庭の経済格差が子どもの教育格差につながっているのです。
公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンは、特に「学校外教育」(学習塾や習い事)が子どもたちの教育格差を助長する点に着目しました。
経済的な理由で学校外教育を受ける機会がない子どもを対象に、教育サービスにのみ使える「スタディクーポン」を配布し、教育格差の解消に取り組んでいます。
スタディクーポンが使える教育サービスは大きく分けて、下記の5種類。
- 教科学習(塾、家庭教師、通信教育など)
- スポーツ(サッカー教室、スイミング、スポーツ教室など)
- 文化活動(ピアノ教室、音楽教室、絵画教室など)
- 体験活動(キャンプ、野外活動、社会体験など)
- 習い事(習字、そろばん、外国語教室など)
それぞれの分野でサービスを持つ企業や民間団体と連携しています。
子どもたちは幅広い教育サービスの中から、興味のある活動、自分に必要な活動を自分で決められるのです。
また、大学生ボランティアによる電話・対面での定期的な面談で、子どもたちの学習や進路、生活をサポートする体制も整えています。
子どもたちも安心してクーポンを使い、学びを深めることができそうです。
活動内容 | スタディクーポンの支給、大学生ボランティア等による相談支援 |
活動地域 | 岩手県、宮城県、福島県、東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県、兵庫県、大阪府、京都府など |
支援対象 | 経済的困難を抱える子ども・被災した子ども |
寄付の使途 | クーポン発行費、大学生ボランティアの相談支援費、スタッフ人件費など |
運営団体 | 公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン |
チャンス・フォー・チルドレンの年次報告書には、スタディクーポンを利用して予備校や進学塾に通い、希望の進路を勝ち取った子どもたちの声も多く掲載されていました。
「皆様のお陰で塾に通わせていただき、希望通りの高校、また大学に入学することができました。
2019年度年次報告書
また、チャンス・フォー・チルドレンのイベントや、大学生との電話面談も、普段は人見知りな私ですが、とても楽しかったし、たくさん助けていただきました」
チャンス・フォー・チルドレンの活動は、毎月1,000円からの寄付で応援できます。
毎年多くの子どもたちからクーポンの申込みがあるそうですが、落選してしまう子どもがいるのも悲しい事実。
多くの子どもたちがスタディクーポンを利用して可能性を広げることができるよう、ぜひ支援を検討してみてください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
この記事では、子どもの教育を学校の外で支える団体を3つご紹介しました。
習い事や学習塾で自身の可能性が広がった、という経験がある方や、学校の外での教育にも注目している方は、応援していただけると幸いです。