世界中で137万人のチャイルドを支援している、公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン(以後「プランジャパン」と記載)。
「プランジャパンとは?」
「寄付して大丈夫?」「信頼できる?」
団体の活動内容と寄付金の使い道を調べました。
目次
プラン・インターナショナルとは?アジアやアフリカなど、52カ国で活動する国際NGO
プラン・インターナショナルを支援している国は21カ国、活動している国は52ヶ国に及びます。
プランの成立ちや歴史、日本のプランジャパンについて調べました。
はじまりは、戦災孤児のための保護施設
スペイン内戦中の1937年に、イギリス人ジャーナリストのジョン・ラングドン=デービスによって設立された戦災孤児のための保護施設がプランの始まりです。
「スペインの子どものためのフォスタ-・ペアレンツ・プラン委員会」としてスタートしてから何度か名称を変えて、現在の「プラン・インターナショナル」に改称。
支援の対象も、第二次世界大戦中には欧州全土の子どもたちへと広がり、戦後はアジア・アフリカ・中南米といった途上国の子供達へと転換したようです。
プラン・インターナショナルは「子どもとともに地域開発を進める国際NGO」として、地域の大人だけでなく子どもの視点や意見を中心にしながら活動を展開しています。
出典:プラン・インターナショナルの歴史
世界で約111万人のスポンサー、約140万人のチャイルドと彼らを取り巻く地域の住民たちが、この活動に携わっています。
日本でもフォスター・プランの設立から、30年以上の歴史
「公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン」は、1983年に「フォスター・プラン日本事務局」として創設。
途上国の子どもたちの支援を始めます。
日本でも、東北大震災、熊本地震などの被災地を緊急支援。
2017年7月の九州北部豪雨では大分県日田市・福岡県朝倉市の避難所を中心に、衛生用品の支給や子ども・保護者の心身ケア活動を行なった実績があるようです。
熊本地震から今日で3年。被災された方々に心よりお見舞を申し上げます。プランでは、東日本大震災での経験を活かし、熊本市、益城町、御船町、南阿蘇村などの被災した地域で主に「心のケア」の活動を行いました。子どもたちのショックを癒すための音楽イベントではくまモンも飛び入り参加! pic.twitter.com/wbh5jNE144
— 国際NGO プラン・インターナショナル (@Plan_Intl_jp) April 14, 2019
プラン・インターナショナルの活動は、7つの分野から
プラン・インターナショナルには、「教育」「子どもの成長」「性と生殖に関する健康と権利」「生計向上」「子どもの参加」「子どもの保護」「緊急支援」の7つの事業分野があります。
それぞれの具体的な活動を、プランジャパンの「年次報告書」(2020年度)から拾ってみました。
- 【教育】困難な環境下にある子どもたち2106万人に教育を届ける
- 【子どもの成長】1805万人の子どもたちの栄養や衛生環境の改善
- 【性と生殖に関する健康と権利】早すぎる結婚の阻止や性教育を3442万人の女の子に
- 【生計向上】貯蓄の習慣付けや起業支援を472万人の若者たちに
- 【子どもの社会参加】1143万人の子どもたちの社会参加を支援
- 【子どもの保護】1798万人の子どもたちを暴力や搾取から守る
- 【緊急支援】6126万人に緊急支援や難民支援などを届ける
寄付金は、早すぎる結婚・妊娠を防ぐための教育などに
寄付金は、次のようなプロジェクトに使われています。
- 【教育】ジェンダーに基づく暴力や差別のない学校づくり
- 【子どもの成長】栄養状態の改善や安全な水の確保
- 【性と生殖に関する健康と権利】学校における包括的性教育の実施
- 【生計向上】村落貯蓄貸付グループの結成と運営支援
- 【子どもの参加】女の子のリーダーシップ育成と政策提言
- 【子どもの保護】女の子にとっての安全なまちづくり
- 【緊急支援】ロヒンギャ難民支援
事例① 12歳での結婚を阻止して学生継続
エチオピアのエカバさんは、12歳で結婚をさせられそうに。
あらゆる人の協力で阻止して、学校に通い続けて医師をめざしています。
早期結婚などの悪影響といかに戦うかをプラン・インターナショナルから学んだそうです。
#エチオピア に暮らすエカバは、12歳のときに父親から倍の歳の男性と結婚するように言われました。しかし、エカバは学校に残って勉強を続けたいと父親に訴え続けました。最終的には父も納得し、「早すぎる結婚」は中止。父は今では娘のよき理解者としてエカバの勉強を応援しています。 #父と娘 pic.twitter.com/U1nxh5IPrQ
— 国際NGO プラン・インターナショナル (@Plan_Intl_jp) 2019年6月13日
事例② ロヒンギャ難民キャンプの学校で防災支援
バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプ内にある700カ所の学習センターで、不足していた雨具の補充や防災訓練を実施。
サイクロンや洪水などの防災のために備えたとのことです。
2017年にミャンマーで発生した暴動と混乱で約70万人のロヒンギャの人々が難民となりバングラデシュへ逃れました。プランはキャンプ内に700カ所の学習センターを設置。 レポートはこちらをご覧ください➡️https://t.co/gRDSE93PEk 皆さまのご寄付で実施したプロジェクトです✨ #ありがとうございます pic.twitter.com/6bCKD9vqwR
— 国際NGO プラン・インターナショナル (@Plan_Intl_jp) 2019年6月5日
使い道の指定あり
プランジャパンへの寄付で使い道の指定をする場合、「毎月の寄付」(継続)か「今回の寄付」(一回限り)のいずれかで支援が可能。
どちらも1000円以上からで、「ガールズ・プロジェクト」「グローバル・プロジェクト」の2種類のテーマから様々な国やプロジェクトを選べます。
ガールズ・プロジェクト(女の子の問題)
「ガールズ・プロジェクト」では、女の子が直面する問題を解決する支援に特化しています。
「早すぎる結婚・出産」「暴力」といった差別や偏見、有害な慣習から守りつつ、女の子たちが力をつけるためのサポートです。
- 【女の子が安心できる学校づくり|グアテマラ】女の子に配慮したトイレ建設、性差別防止・啓蒙活動
- 【女の子が売られない社会づくり|ブルキナファソ】人身売買された子供の救出・防止対策、啓蒙活動
- 【少数民族の女性たちの収入アップ|バングラデシュ】就労・起業に必要な職業訓練、生産性向上のための農業技術指導、など
グローバル・プロジェクト
「グローバル・プロジェクト」は、多様に変動する世界で、子どもたちが現在直面する課題やリスクに焦点を当てて支援しています。
子供たちを守ったり、救ったりするたけではなく、たくましく自立・自己解決できる力を身につけるサポートもしているようです。
- 【暴力のない中学校づくり|ジンバブエ】教師からの体罰防止、性差別防止、校舎新設・修繕
- 【栄養不良の子どもの食料支援|ニジェール】干ばつと洪水による食料不足解消のための食料支給・学校菜園の普及
- 【災害に強い学校づくり|ネパール】防災訓練実施・学校設備の補強、など
この他、災害や紛争などが起きた直後に突発的な支援が必要な時にのみ、「緊急支援」として一時的な寄付のよびかけがあります。
使い道の指定なし プラン・スポンサーシップ
特化プロジェクトと違い、特定のチャイルドと住んでいる村や地域が抱えているあらゆる分野の課題を、総合的に解決する支援プログラムです。
最終的な目的は、住民が自活力、村や地域を豊かにする力、みんなで協力して災害などの突発的な出来事から立ち上がる力を身につけていくことです。