香典返しを寄付するには?葬儀参列者への対応や、寄付先とのやり取りをまとめました

葬儀参列者には香典返しとしてお礼の品を渡すのが通例ですが、最近はその代わりに寄付をして、社会貢献に役立てるという事例が増えています。
今回は、香典返しによる寄付を検討中の方が押さえておきたいポイントをまとめました。

香典返しから寄付をする前に、押さえておきたいポイント3つ

せっかく寄付をしても、親戚や参列者との間でトラブルになってしまってはいけません。
ポイントを押さえて、トラブルの回避はもちろん、よりよい場づくりを目指しましょう。

ポイント1:寄付者はご遺族

香典返しからの寄付は、頂いたお香典の一部を寄付に充てるという形になります。
よって、寄付者は故人ではなくご遺族です。
それぞれのご家庭の事情に応じた代表者(喪主の方など)が一括して、寄付を行います。

ポイント2:寄付金額はお香典の3分の1〜半分

通常の香典返しでは「頂いたお香典の金額の3分の1〜半分程度」の品物をお渡しします。
香典返しを寄付として代替することを考えると、寄付金額もその水準が妥当でしょう。
とはいえ、こちらはあくまで目安ですので、故人が望む場合はその限りではありません。

日本ユニセフ協会の振込用紙

ポイント3:寄付先は故人にゆかりのある団体を

寄付先については、故人が生前に支援されていた団体があれば、そちらがベストです。
もしそうした団体がない場合も、故人がご興味を持たれていた社会課題に精通している団体から選びましょう。

通常の寄付をする時と同様に、

  • 寄付の使い道がきちんと明示されている団体か?
  • 寄附金控除が活用できる団体か?

については、併せて確認するようにしましょう。

その寄付先は信用できる?怪しい?「寄付してはいけない」団体と、信頼できるNPOを見分ける6つのポイント

香典返しを寄付する際は、葬儀参列者への配慮を!

参列者の中には「香典を勝手に寄付された」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
参列者へのきちんとした配慮が、のちのトラブルを回避することに繋がります。

故人のご遺志であることを伝える

「亡くなられた方のご遺志であれば・・」と納得してもらえることは多いでしょう。
遺言にお気持ちを残されていた、などの明確な理由があれば、尚良いです。

お香典から、いくら寄付に充てたのかを報告する

お香典からどれくらい寄付に充てるのかについては、葬儀前に親戚間で打ち合わせておき、葬儀時に参列者へその旨を伝えましょう。
もし間に合わない場合でも、葬儀後のお礼状に記載するなどして、報告しましょう。

葬儀後にお礼状をお送りする

寄付先に事前に連絡しておけば、参列者へのお礼状を用意してもらえることがあります。
用意してもらえる場合、発送作業はどちらが担うのかについても確認しておきましょう。
団体によっては、送付前に見本を送ってもらうことも可能です。

国境なき医師団日本のお礼状

香典返し寄付で、税制優遇は受けられる?

香典返しからの寄付といっても、税制上は通常の寄付と同じ扱いです。

相続税は対象外

お香典はご遺族が受け取りますので、故人の遺産にかかる相続税の対象ではありません。
よって相続税の控除対象にもならず、頂いたお香典からご遺族が寄付を行います。

所得税などご遺族の寄附金控除に

香典返しからの寄付は、代表して寄付を行なった方の寄附金控除の対象となります。
その際は寄付先が税制優遇措置のある認定NPO法人・公益法人等である必要があります。

参考

香典返しを寄付した場合の税務上の取り扱いNPO会計道 脇坂税務会計事務所

以上、香典返しから寄付をする時に押さえておきたいポイントをまとめました。
検討されている方のお役に立てていれば嬉しいです。

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