「人身売買」と耳にすれば、誰だってこれは「早急に解決すべき問題」だと感じることと思います。
しかし同時に、問題が大きすぎて仮に自分が寄付をしたとしても、焼け石に水なのでは?と感じてしまう人も多いのではないでしょうか。
「せっかく寄付をするならば、人身売買という問題をピンポイントで扱っている団体に寄付をして、問題改善の一助にしてほしい!」
そんな想いをお持ちの方へ向けて、今回は「人身売買の根絶」に注力している3つの団体をご紹介させていただきます。
目次
インドで強制的に売春させられている子どもを助ける(かものはしプロジェクト)
まだ10才にも満たないような子どもが大人の身勝手な都合によって、売春宿で強制的に働かされている、そんな問題がこの世界にはまだまだ残っています。
世界中で商業的性的搾取の被害にあっている子どもは年間100万人とも言われ、国連でも最悪の形態の児童労働と定義付けられています。
かものはしプロジェクトといえば、カンボジアというイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか?
かものはしプロジェクトは、2004年からカンボジアで人身売買の問題に携わりました。
2018年にはカンボジアにおけるその問題の改善を受けて、今は最も被害者数が多いと言われているインドで問題解決に尽力している団体です。
かものはし設立当初から活動していたカンボジア事業を2018年3月末で終了しました。
カンボジアでの「子どもが売られる問題」が大幅に減ってきていること、そしてカンボジアの社会にコミュニティファクトリーが根差し、社会的な意義を見出しつつ新たなミッションの元で事業を継続、拡大していきます。
(認定NPO法人かものはしプロジェクト WEBサイトより)
かものはしプロジェクトはインドで法整備の支援という面、被害者女性の精神回復の支援という面の双方向から問題解決にあたっています。
現在の活動国であるインドでの被害者は西ベンガル州出身者が最も多く、その理由として、災害の影響を非常に受けやすいこと、隣国のネパールやバングラデシュと西ベンガル州が国境を接していることなどから、女性がさらわれやすいことが分かっています。
活動内容 | 被害者の権利と正義を取り戻すための仕組み作りなど |
活動地域 | インド |
支援対象 | 人身売買の被害にあった女性・子どもなど |
寄付の使途 | サバイバーのリーダーシップ研修、被害者の裁判費用など |
運営団体 | 認定NPO法人かものはしプロジェクト |
毎月1,000円からの寄付でこの活動を応援することができます。
私自身もサポーター会員として、継続的に支援をしています。
「最も被害者の多い国で奮闘している団体に寄付をしたい」
「今この瞬間も地球上のどこかで助けを求めている人に支援を届けたい」
という方は、是非WEBサイトで詳しく活動をご覧になってください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
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アジアを中心に約100の国と地域で人身取引をなくす(ワールド・ビジョン)
ワールド・ビジョンは”すべての子どもたちに豊かな命を”をミッションに、開発援助・緊急人道支援を行うキリスト教系の国際NGO団体です。
先に取り上げた、かものはしプロジェクトが取り扱っている「人身売買の問題」、そしてワールド・ビジョンが取り扱っている「人身取引の問題」はどう違うのでしょうか?
「人身売買」は、歴史的に、女性に対する暴力や性的搾取について使われる傾向があります。
「人身取引」は、国際組織犯罪防止条約人身取引議定書において国際組織犯罪として定義されている言葉で、日本政府やILOなどの専門機関により使用されています。また、同議定書において、性的搾取、強制労働、臓器売買などを幅広く含むと規定されています。
(認定NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン WEBサイトより)
人身取引という言葉の中に、人身売買も含まれるということですので、ワールド・ビジョンの方がかものはしプロジェクトより、広いテーマを取り扱っているということになります。
世界では約2,100万人の大人や子どもが人身取引の被害にあっていると言われています。
こうした数字は問題のスケール感を伝える為に、どんな団体でも掲載されています。
が、私も普段からこの問題の解決に尽力している者の一人として言えることは、こうした問題はアンダーグラウンドの世界で行われていることですので正確な数字は誰にも分からない、ということです。
数字を公表している国や機関によっても、全く数字が異なるのはその為です。
活動内容 | 子どもの教育支援・貧困支援など |
活動地域 | アフリカ・東欧・中東・アジア・中南米エリアの約40カ国 |
支援対象 | 貧困、紛争、災害で苦しむ子どもたち |
寄付の使途 | 子どもたちの支援活動全般 |
運営団体 | 認定NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパン(日本窓口) |
それでは、実際にワールド・ビジョンに寄付をするには、どんな方法があるのでしょうか?
代表的なものをご紹介すると、チャイルド・スポンサーシップが有名ですね。
毎月4,500円から、支援地域に住む子どもと写真や手紙などを通して交流できるサポーター制度です。
個人的には下限が毎月4,500円と聞くとハードルが高いなと感じてしまいますが、それに見合う情報は提供されるようです。
弊サイトでもチャイルド・スポンサーシップについて詳しくご紹介した記事がございますので、もしよかったらそちらも併せてご参照ください。
「寄付をするなら、より大きな団体の方が安心感がある」
「チャイルド・スポンサーシップなら、自分の寄付が役に立っている実感が得られる」
という方は、是非WEBサイトで詳しく情報をご覧になってください。
> 団体公式サイトで詳しくみる
寄付金控除の対象団体です
日本の、人身取引の問題に取り組む、人身取引専門NGO(ライトハウス)
人身売買、人身取引は遠い国の問題ではありません。
私たちが住むこの日本でも、人身取引の問題が根強く残っています。
警察庁の検挙報告によると、平成29年は42人の被害者を認知し、46件、30人の被疑者を検挙したとのことです。
私は仕事の関係で、2018年7月に警察庁の人身取引会議に出席したことがあります。
その時に聞いた話によると、日本で認知されている被害者は、フィリピンやカンボジアといった途上国から出稼ぎにきた外国籍の女性や子どもがほとんどということでした。
かものはしプロジェクトやワールド・ビジョンが活動しているような国と比較すると、はるかに少ない被害者数ですが、私たちが住んでいる国でも同様の問題が起こっているのはとても心苦しいですね。
日本ではどのような人身売買の被害があるのかというと、
- アダルトビデオ(AV)に出演経験のない女性にAV出演ならびに、性行為を強要。
- フィリピンやカンボジアから出稼ぎにきた現地国籍の少女を売り飛ばす。
- 未成年の女子高生に淫らな行為をし、撮影した動画をインターネットサイトに投稿。
といった類いのものがあり、そのケースも多岐に渡ります。
こうした問題の背景には、親との関係が上手くいかずDV被害を受けた子どもが家の中にいられなくなり、寝る場所がなく、泣く泣く体を売らざるを得ないといった深刻な問題があります。
全ての子どもが安心して屋根の下で暮らせるようになってほしいと願いつつ、残念ながら日本にもそうした問題はまだまだ残っているのです。
活動内容 | 人身取引被害者への支援 |
活動地域 | 日本 |
支援対象 | 日本で発生した人身取引被害者(外国籍を含む) |
寄付の使途 | 被害者への心のケア、生活サポート、裁判支援など |
運営団体 | NPO法人人身取引被害者サポートセンター |
人身取引は、日本だけでなく、すべての国や社会が抱えている問題の縮図だと思います。
この問題から目を背けることは、未来を失うことになるのではないでしょうか。
みなさんにはまず、人身取引の実態について知ることから始めていただけたらと思います。
それが被害者のSOSに気づくことにつながり、そして人身取引を許さない社会、被害を受けた方が力を取りもどし、ともに生きる社会につながると思うからです。
それでは、ライトハウスへの寄付はどのような方法があるのでしょうか?
ライトハウスでは、”AKARI PROJECT”という名前でサポーター制度が用意されており、一月1,000円からマンスリーサポーターになることができます。
2,000円の寄付で相談者1名へ電話支援や面談を提供することができます。
活動地域以外でかものはしプロジェクトやワールド・ビジョンと異なる点として、認定NPO法人ではないことが挙げられます。
ライトハウスへの個人の寄付に関しては、税制上の優遇措置を受けることはできません。
「より身近な日本の問題を扱っている団体に寄付をしたい」
「日本の問題であれば、身の回りの大切な人たちにも火の粉が降りかかるかもしれない」
という想いを持っている方は、是非WEBサイトで詳しく情報をご覧になってください。