難民支援協会提供
紛争や人権侵害など様々な理由で、故郷を追われてしまった難民の方々。
実は日本にも多くの方が難民として逃れて来ていることをご存知でしょうか?
そんな日本にたどり着いた難民の支援を行っているのが、難民支援協会です。
団体名を知っている、という方は多くないかもしれませんが、20年以上の活動実績があり、これまでも様々な支援を提供してきました。
そこで今回は、難民支援協会はどのような団体なのか、具体的に何の活動をしているのかをまとめました。
少しでも、皆さまの参考になると嬉しいです。
目次
難民支援協会とは?故郷を追われ日本に逃れてきた難民をサポート
難民支援協会は、「難民が新たな土地で安心して暮らせるように支え、ともに生きられる社会を実現する」ことをミッションに活動している団体です。
1999年に設立した当時は、机1つにスタッフ1人、有志のボランティアで活動を始めたそうです。
当時は難民の方々への個別の支援活動に加え、難民支援に取り組むNGOのネットワーク作りに力を入れていたといいます。
2000年にはその活動の実績が認められ、国連難民高等弁務官(UNHCR)とも事業実施パートナーとして契約を締結。
UNHCRに問い合わせがあった相談を、難民支援協会が受け、実際の支援を提供することで、一気に相談件数も増加したそうです。
現在に至るまで、UNHCRとのパートナー協働を続けており、難民の方々をサポートしています。
具体的な活動内容は?寄付する前にチェックしたい3つのポイント
多くの難民の方々の支援をしてきた難民支援協会。
実際に難民支援協会を寄付先として考えるにあたって、活動内容、会計報告、支援の効果という3つのポイントを詳しく見ていきたいと思います。
活動内容は?一人ひとりへの総合的な支援と、難民が受け入れられる社会づくり
難民支援協会は、「難民」と「社会」の大きく2つの柱を軸に活動をされています。
「難民」という柱では、日本に逃れてきた難民の方々に対して、安心して暮らし、自立に向けて歩んでいけるよう、個別にサポートを提供しています。
具体的には以下3つの支援を行っているようです。
たとえば、その日泊まる場所がない方には、シェルターを提供。
国民健康保険に入れないなか適切な医療を受けられるようサポートします。
弁護士と協働しながら、手続きのアドバイスや証拠資料の収集・作成をサポートしています。
就労を希望する方に対して、日本での仕事探しの方法を伝えるとともに、難民の方一人ひとりに適した企業との橋渡しを行い、雇用を実現しています。
(出典:難民支援協会HP)
「社会」というもう一つの柱では、現場の経験を生かして個人、地域、企業、政府などに働きかけ、難民を受け入れられる社会を作る活動を行っています。
具体的には、難民の方々が適切に保護され、受け入れられる制度の実現を目指して、政府や国会に政策提言を行っています。
また、そもそも難民が日本に逃れてきていること、様々な課題に直面していることを多くの方に知ってもらうため、イベント・講座の開催や、ウェブサイト・SNSでの発信、キャンペーンの実施など、広報活動にも力を入れているようです。
会計報告は公開されてる?年次報告書をチェック
難民支援協会の収支報告は年次報告書、またはホームページに掲載されている会計報告から確認することができました。
現在掲載されている最新の2020年度の会計報告から、代表的な数字を拾ってみました。
- 収入 237百万円
- 寄付合計(一般寄付、特定目的寄付、現物寄付):69.9%
- 助成金 16.3%
- 活動委託金 6.4%
- 補助金 5.5%
- 活動収入 1.6%
- 支出 180百万円
- 相談・支援事業 29.3%
- コミュニティ支援 2.5%
- 就労支援 6.1%
- シリア事業 8.9%
- 広報 29.3%
- 調査・研究・政策提言 8.1%
- ネットワーク 1.3%
- 人道 1.0%
- 管理・運営 13.5%
また、具体的な寄付の使い道については以下のように記載されています。
- 月1,500円:入管などでの手続きのための交通費を支払えます
- 月3,000円:路上生活に耐えている難民が、宿で一泊休むことができます
- 月5,000円:パスタ、カレーなど15食分の食事を提供できます
支援の効果は?希望する企業へ就職した事例も
実際の支援の効果についても、年次報告書に細かく記載がありました。
- 難民申請手続きや日本での生活のカウンセリングを325人、1,300件実施、個別に支援を提供。
- ホームレスの状況にある難民29人に対して、シェルター(宿泊場所)を提供
- 病院との交渉や診療費の支援等を通じ、43人、100件を医療につなげる
- 就労前日本語プログラムを22人が受講して17人が修了し、過去の修了者も含めて33人の就職を実現。
(2020年7月から2021年6月実績)
また、活動レポートも頻繁に更新されており、具体的に支援された難民の方のストーリーなども詳しく読むことができます。
アチュさん(仮名)は弁護士の紹介などJARの支援を受けて難民申請を続けながら、飲食店などで日中アルバイトをし、夜は日本語学校などに通う日々を2年以上続けました。
難民支援協会HP
そして来日から3年後、ついに希望していた企業への就職を実現しました。
(中略)
日本に逃れた難民の方が経済的に自立するには、来日直後の時期をしっかりと支え、本人の希望や意志を尊重しながら、その方が持つ力を引き出し、寄り添い続ける息の長い支援が必要です。
JARはこれからも、各部署の連携を通じて、一人ひとりの道のりに寄り添い続けていきます。
難民支援協会に寄付するには?毎月継続的に支援する”難民スペシャルサポーター”
難民支援協会では様々な支援の形が用意されていますが、そのうちの一つである難民スペシャルサポーターという仕組みをご紹介します。
月々1,500円から金額を決めて継続的に寄付をすることができます。
毎月のメルマガ&年2回の活動報告が届く
難民スペシャルサポーターになると、最新の年次報告書、難民支援に関する最新ニュースレターが入った入会キットが届きます。
また、毎月メールマガジンで、最新の活動の成果やメディアなどの掲載情報、実際に支援を受けた難民の声などが届くそうです。
さらには活動報告として支援している難民のストーリーや支援の状況が分かるニュースレター(年2回)や年次報告書が送られてくるとのこと。
確定申告すると寄付金控除の対象になる
難民支援協会は、東京都庁から認可を受けた認定NPO法人のため、行った寄付は寄附金控除の対象になります。
税額控除
難民支援協会HP
(寄付金額合計 – 2000円)×40% が所得税から控除されます。
(住民税10%と合わせて最大約50%の控除)
*ただし、対象寄付金額は、所得金額の40%が上限
(税額控除額は、所得税額の25%が上限)
例えば、月々3,000円、年間36,000円を寄付すると、 13,600円が戻ってくる計算になります。
(寄付金額36,000円ー2,000円)×40%=控除額13,600円
追記:私が難民支援協会への寄付を始めたきっかけ
いかがでしたでしょうか?
実は私も、過去に難民スペシャルサポーターとして難民支援協会に寄付をしていたことがあります。
日本にいる難民の方々の問題に触れる機会はそれまでほとんどなかったのですが、代表の方の講演会を聞き、日本にいる難民の方々が置かれているあまりに厳しい環境に驚き、何か力になりたいと思ったのがきっかけです。
難民支援協会は情報発信もとても丁寧かつ頻度も高く、寄付をして終わりではなく、事あるごとに難民の問題について考えさせられました。
今は事情があってやめてしまいましたが、寄付をしてよかったなぁと思える団体の一つです。
ぜひこの記事を通して、日本にいる難民の方々の問題、また難民支援協会の活動に少しでも興味を持っていただけるととても嬉しいです。