e-Education創業者の税所篤快さん、どんな人?寄付者の私が著書から学んだ想い

「e-Educationの創業者、税所篤快さんってどんな人なの?」
「団体を創業した当初の想いやエピソードを知りたい!」

こんにちは、寄付ナビの鈴木大悟です。

認定NPO法人e-Educationは、「最高の教育を世界の果てまで」をミッションに活動する、日本発祥の教育支援団体です。

e-Educationを創業した税所篤快さんとはどのような人物で、どのような想いを持った起業家なのでしょうか?

本日は、このような疑問を持っている方へ向けて、税所さんの著書『前へ!前へ!前へ! ―足立区の落ちこぼれが、バングラディシュでおこした奇跡』(木楽舎)を読んで、私が学んだことをお話ししたいと思います。

税所 篤快(さいしょ あつよし)

  • 1989年、東京都足立区生まれ。東京都立両国高校卒、早稲田大学教育学部卒。
  • 2010年、共同創業者の三輪と一緒にバングラデシュで教育支援活動を始める。
  • 2014年、e-Educationの代表を三輪と交代。
  • 現在は、二児の父。

e-Educationの原点は?家族のために大学進学を目指す高校生たちとの出会い

2010年、当時グラミン銀行のインターン生だった税所さんは、バングラデシュの農村ハムチャー村を訪れた時、家族のために大学進学を目指す高校生たちに出会いました。

中でも、家庭訪問で訪れた生徒のひとり、ロハマン君の家での光景は、税所さんにとって忘れることのできないものになりました。

「うちには電気がきていないので、夜は灯油ランプのもとで勉強しています」と彼は言う。
トタン板を組み合わせた家に一家は住んでいる。

部屋の中はいたってシンプルだ。
家族用の4人掛けのテーブル。
これはロハマンの勉強机も兼ねている。

その上に置かれるランプ。
あとは簡易なベッドが隅に置かれているだけだ。
必要最低限のもの以外は、なにもない。

父親はリキシャ引きで毎日人を乗せているが、収入は村でも最低レベル。
苦しい家計のなか、ロハマンはダッカ大学を目指している。
灯油ランプで勉強なんて、「ホタルの光で勉強した」という中国の故事にも負けていない。

前へ!前へ!前へ! P.180

しかし、ロハマン君はこう答えます。
「バングラデシュ最高学府のダッカ大学に合格したい!最高の教育を受けてみたい」

税所さんは葛藤しました。
「経済的にも地理的にも恵まれていない農村の高校生はどうすればいいのか?夢を諦めるしかないのか?」

税所さんは悩んだ末に、「農村に生まれた高校生でも大学に合格できると証明したい」と、e-Educationプロジェクトの実現に向けて、動き始めます。

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『前へ!前へ!前へ!』を読んで、私が共感した3つのポイント

ここからは、この記事を書いている私が、税所さんの著書を読んで学んだことや感じたことを共有させてください。

①困難にぶつかっても、志を完遂しようとする情熱

税所さんは早速ダッカ大学で学生100人にヒアリングを行いました。
すると、100人中93人が予備校出身者であることがわかりました。

税所さんは、大学の仲間と共に、バングラデシュの教育格差をなくすための様々なアイディアを考えました。

答えは近くにありました。
それは税所さんが高校生の時に通った予備校の映像授業でした。
衛星放送で一流講師の授業を受け、次々と難関大学に合格していったのです。

そして偏差値28の落ちこぼれだった税所さん自身にも、「東進衛星予備校」の映像授業を受け、第一志望だった早稲田大学に合格した経験がありました。

「授業をDVDにして届ければ、貧しい子どもたちも一流の教育を受けられるのではないか!」

税所さんは映像授業への協力を依頼する予備校講師をリストアップし、想いを伝えていきました。
書籍の中から、バングラデシュ国内で3本の指に入るカリスマ英語教師ザハン先生とのやり取りをご紹介します。

猛烈なアプローチを開始した。
その日から、ザハン先生のクラスには謎の日本人が付きまとい続ける。
三顧の礼どころではない、ほぼ毎日開かれるザハン先生のクラスには、必ず聴講生として参加し、そのたびにプロジェクトへの参加をオファーした。

授業のプリントをもらい、隣の受験生にテキストを見せてもらい彼らといっしょに並んで勉強した。

受験生といっしょに話しながら、ザハン先生の好きなものから家族構成まで聞き込みもして。

そして、ついにザハン先生は僕のしつこさに負けて、「ははは。そこまでラブコールを受けたらやらないわけにはいかないな」と申し出を受けてくれることになったのである。

前へ!前へ!前へ! P.144

こうして、ザハン先生を始めとする一流講師に無償でご協力いただき、授業を撮影することができました。

②水を得た魚のように勉強に打ち込む高校生たち

e-Educationプロジェクトを思い立ってから、わずか9ヶ月後の2010年6月8日。
ロハマン君の住むハムチャー村で、初めての映像授業が行われました。

教室でPCに向かう高校3年生たち。
生徒たちは目を輝かせながら、ノートを開く……。

スウィッチを入れると、画面にはバングラデシュ有数の講師が現れて授業をはじめる。
そして、どよめきが起こる。

「おい……、あの英語のザハンだぜ……」

画面に現れたのは英語教師のクビド・ザハン先生だった。
通常、彼らの授業を予備校で受けるには、村人の収入1年分以上のお金が必要だ。

村の子どもたちには、まったく手の届かない金額だ。
それが、こんな田舎で、しかも無料で受けられるのだ。

前へ!前へ!前へ! P.160

映像授業があれば、文房具を買うお金も、予備校に通うための交通費も必要ありません。
成績もぐんぐんと伸びていきました。

映像授業はまさに農村の高校生が待ち望んでいたものだったのです。

③日本発のオンライン授業で農村から大学合格者を輩出!

高校生たちは受験日まで懸命に勉強しました。
時には「田舎の私たちが大学に合格できるなんて信じられない」と脱落者が出そうな場面も。

しかし彼らの猛勉強が実を結び、過去40年間に難関大学に合格した生徒がたった1人だったハムチャー村で、e-Educationの映像授業を受けた32名中18名が大学に進学することができたのです。

多くの人が否定する厳しい挑戦だった。
どれほどの勝ち目があったろう。
何度諦めて放り投げそうになったろう。
それでも僕たちは歩き続けた。

フラフラになりながら。
ボロボロになりながら。
そして、最後に光を見た。

前へ!前へ!前へ! P.200

村の人たちに、直接感謝とお祝いの言葉を伝えられたそうです。

その時、税所さんは思いました。
「やっぱり、この世界に不可能なんてなかった」と。

この出来事はダッカの新聞でも大きく取り上げられ、「ハムチャー村の奇跡」とたたえられました。

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e-Educationの最新の取り組みは?オンライン学習で支援

2014年、創業者の税所さんに代わり、三輪開人(みわかいと)さんが代表になりました。
三輪さんは税所さんと創業期から活動を共にしたメンバーの一人です。
また同年、東京都からNPO法人の認証を受け、正式に法人格を取得しています。

e-Educationは、現在はバングラデシュ以外にも、ネパール、フィリピン、ミャンマーなどアジアの各地で教育支援活動を展開しています。
今回ご紹介した税所さんの書籍が出版された後の、最新の活動もぜひ紹介させてください。

2020年、新型コロナウイルスの感染拡大によって世界中で学校閉鎖が広まり、「学校に行けない」「先生に会えない」子どもたちが急増しました。
e-Educationの映像授業も同様に、生徒たちが通えなくなったのです。

そこでe-Educationは生徒たちが自宅でも映像授業を受けられるように、スマホやタブレット用の学習アプリを開発しました。

文系、理系問わず約2,000の授業と10,000問のデジタル問題集が利用でき、筆記問題や作文の添削サービスまで受けられます。

スマホを買えない家庭には、ネット環境がなくても使うことができるタブレット端末を無償貸与しています。

学習アプリを使ったオンライン学習だけでは、生徒たちが孤立してしまう懸念がありましたが、都市部の大学生をオンライン学習コーチとして採用し、農村部の受験生とつないで学習指導も行うことにしました。

1人の家庭教師が担当する生徒は最大5人。
子ども1人ひとりに合った指導、きめ細やかな指導で生徒をサポートしています。

あなたのご寄付があれば、希望する子どもたち全員が無償のオンライン学習を受講して、人生を変える大学受験に挑むことができます。

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最後に:あなたも子どもたちの夢を応援して頂けませんか?

これから寄付を検討されている方へのメッセージが、e-Educationの団体公式サイトに掲載されていたので、ご紹介させてください。

日本から応援を続けてくださる方々がいるおかげで、生徒たちの夢は成長とともに膨らんでいっているだけでなく、日本に恩返ししたいという声も届いています。

「夢は、日本の大学院で勉強すること」
「いつか日本に恩返しがしたい」

実は、2017年から、バングラデシュの大学へ進学したe-Educationの卒業生たちが、高い英語力を活かして、日本の高校生の英作文を添削指導する、そんな取り組みも始まっています。

途上国の若者が日本からの支援を受け、大学へ進み、今度は日本の子どもの未来のために力を貸してくれる。

e-Educationに出会った生徒たちが国や世代を越えつながっていく、そんな循環が出来てきていると感じています。

・私も大学に進学して、視野が広がった
・ITやインターネットがもつ可能性を信じている
・日本人が大切にしてきた「教育」で、世界に貢献したい

もしあなたがそう感じられたなら、今すぐマンスリーサポーターになっていただけませんか?

ご支援を、心よりお待ちしています。

e-Education HP

マンスリーサポーターは、以下から申し込めるようです。

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