アフガニスタンに寄付を届けるには?教育などの募金先NGO4選

(出典:ペシャワール会HP

【2025/09/29 更新】

「学校に通えないのは、女の子だから」「おなかが空いて、勉強どころじゃない」――。

アフガニスタンでは、そんな言葉が日常にあふれています。政変によって女子教育は禁止され、干ばつや貧困で食事もままならない子どもたちが数え切れないほど存在しています。水道や病院も遠く、命さえ脅かされている状況です。

「子どもたちの未来を守るために、自分にも何かできないだろうか」「でも、どこに寄付すれば、本当に役に立てるの?」

そんな想いを抱えている方に向けて、この記事ではアフガニスタンで活動を続ける信頼できる支援団体の情報をお届けします。

  • 教育や医療、水支援などを行う4つのNGO・国際機関の紹介
  • アフガニスタンで今、特に支援が必要とされている人々とは?
  • 寄付がどんな成果を生んでいるのか、実際の事例も紹介

あなたにぴったりの寄付先がきっと見つかるはずですので、ぜひ最後までご一読ください。

アフガニスタンで活動するおすすめ団体4選

ペシャワール会中村哲さんの医療活動を支え、現地の復興を推進

アフガニスタンでは、慢性的な食糧不足と人々の栄養失調が深刻な問題となっています。
さらにはそれに対応する医療体制も十分に整っていません。

その状況を改善するための医療支援、そしてその課題の根本的な原因解決のために実施している、様々な活動を支えるのがペシャワール会です。

ペシャワール会HP

 ペシャワール会を始めたのは、20年以上にわたりアフガニスタンの支援をされていた医師の中村哲さん。
2019年の12月、アフガニスタンで活動中に何者かに殺害されてしまいました。
当時ニュースにも多く取り上げられたため、名前を耳にしたことがあるという方もいるかもしれません。

現在も亡くなった中村さんの意志を引継ぎ、ペシャワール会では医療支援を中心にアフガニスタンで活動を続けています。

さらに、今なお進行する大干ばつを乗り越えるための灌漑事業や農業事業も行い、人々が直面する慢性的な食糧不足を根本的に解決することを目指しています。

活動内容 現地の人々への医療支援、農業支援、灌漑支援
活動地域 アフガニスタン・パキスタン北西部
支援対象 アフガニスタンに暮らす人々
寄付の使途 現地での医療活動、農業活動、灌漑支援活動などにまつわる費用
運営団体 ペシャワール会 ※

※ 現地活動は、PMS (Peace (Japan) Medical Services)という医療団体として実施

毎月継続的に寄付をするサポーター会員等の仕組みは用意されておらず、単発の寄付と年会費(3,000円〜)の寄付を郵便局からの払い込みでのみ、受付をしているようです。

また、ペシャワール会は法人格を持たない任意団体であるため、税額控除を受けることができないことには注意が必要です。

現地の医療状況、またその根本的な解決のために力になりたいという方は、こちらから検討してみてください。

シャンティ国際ボランティア会:識字が困難な子どもたちに絵本を

アフガニスタンでは、教育格差も大きな課題です。

シャンティ国際ボランティア会によると、アフガニスタンの学校の半数で校舎が不足している状態です。
また、学校で働く教員の質も高いとは言えず、長期的な支援が必要だとされています。

シャンティ国際ボランティア会HP

校舎が足りず野外での勉強を強いられている、さらには質の高い教育を受けることができない子どもたちのために、アフガニスタンで活動をしているのが、シャンティ国際ボランティア会。

「場所」「本」「人」の3つをキーワードにして活動しているそうです。

・学びと安心の場づくり
学校建設、図書館の運営を行っています。図書館から遠い地域では、移動図書館活動も行います。

・本を読む機会の提供
本を買って届けるだけではなく、絵本や紙芝居の出版も行っています。文字を読めない子どものための読み聞かせも人気です。

・人の育成
子どもたちと本をつなぐ大人も大切です。学校教員や図書館員を育成しています。

シャンティ国際ボランティア会HP
活動内容 学校建設、図書館の運営、子どもへの読み聞かせなど
活動地域 アフガニスタン・カンボジア・ミャンマー・ネパールなど
支援対象 遠方や少数民族など、教育格差に苦しむ子どもたち
寄付の使途 学校建設や教員育成にかかる費用、災害の緊急支援など
運営団体 公益社団法人シャンティ国際ボランティア会

シャンティ国際ボランティア会には様々な支援の方法が用意されていますが、おすすめなのは月1,000円〜継続的に活動を支援できる「アジアの図書館サポーター」。

シャンティ国際ボランティア会「アジアの図書館サポーター」になって、私が毎月の寄付を始めた理由

寄付は、アフガニスタンを含めたアジアの国々の子どもに教育機会を届ける活動費として活用されます。
税額控除を受けることができるのも嬉しいポイントですね。

教育を通じて、子どもたちの明るい将来を育んでいくために何か力になりたい、という方はぜひ検討してみて下さい。

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寄付金控除の対象団体です

ユニセフ:本来は防げる病で命を落とす子どもにワクチンを届ける

アフガニスタンでは、肺炎、下痢、マラリアなど、ワクチンが普及していれば当たり前に助かるような病気で未だに多くの子どもたちが亡くなっています。

そんなアフガニスタンをはじめ、世界の開発途上国の子どもたちの命を守るために、様々な活動を行うのがユニセフです。

ユニセフHP

ユニセフでは、子どもたちに直接ワクチンを届ける活動はもちろん、医療研修を地元の人々に提供して「地域保健員」を育てています。
研修を受けた地域保健員は、かかりやすい病気の処置・重症の場合の搬送・予防啓発などを行い、長期的には地元の人々の力だけで状況を改善していけるよう、支援を行っています。

活動内容 医療・保健・衛生・教育など多岐に渡る
活動地域 ガーナ、パキスタン、バングラデシュなど世界190ヶ国
支援対象 貧困・紛争・緊急支援が必要な国に住む子どもたち
寄付の使途 ワクチン・医療器具・研修実施費用など
運営団体 公益財団法人日本ユニセフ協会(日本窓口)

ユニセフにも、毎月継続的に活動を支援できる仕組みが用意されています。

ユニセフ募金の使われ方が気になっていた私が、マンスリーサポートで寄付を始めた3つの理由

寄付金は子どもたちへの医療活動費をはじめとする活動資金として活用されます。
もちろん、税額控除を受けることも可能です。

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寄付金控除の対象団体です

JEN:自宅に安全な水が届かない地域に井戸を建設

アフガニスタンでは武力勢力から逃れるため、避難生活を続ける人たちがたくさんいます。
その際、より安全な場所は田舎の山の麓など不便であることが多く、特に清潔な水へのアクセスが非常に大きな課題になっています。

水汲みのために片道2.5kmの道を1日3〜4回往復せざるをえず、学校にも行けずに1日のほとんどを水汲みをして過ごす子どもたち。

そんな難民の人びとに緊急支援と長期的な自立支援を行っているのがJENです。

JEN HP

JENでは、難民の人たちが安全な水を供給するための井戸を設置。
その意味合いはただ単に清潔な水が手に入った、ということだけではなく、さまざまな問題の根本解決にも繋がっています。

シェルターの近くに給水所ができたことで変わったのは、きれいで安全な水が手に入るようになったことだけではありません。
まず、家族が下痢になることはほとんどなくなり、医療費が大きく減りました。
節約したお金でニワトリを飼い始めた家族は、卵を売って得た収入で文房具を買い、子どもたちが学校に行く準備ができました。
3人のお兄さんたちは、小学校に戻ることができました。
そしてハリーマちゃんは、初めて小学校に通学することができました。安全な水が良い循環を生み出すスイッチになったのです。

JEN HP

JENでは、井戸を設置するという緊急的な支援だけでなく、空いた時間を教育に充てられるよう、そのための学習支援も行い、子どもたちの自立を支えています。

活動内容 紛争地域や自然災害の被害を受けた地域の緊急支援から自立支援
活動地域 アフガニスタン、パキスタン、トルコ、日本(東北)
支援対象 紛争、自然災害により厳しい状況にある人びと
寄付の使途 緊急支援時の物資調達費用、自立のための設備建設費用等
運営団体 認定NPO法人ジェン(JEN)

JENでは、月々1,000円から活動を応援することができる​「JENサポーター」を募集しています。
ホームページには、具体的にどのような活動に寄付が使われるのかが明確に示されています。

  • 毎月1,000円で:173世帯に1カ月分の井戸水を提供することができます。
  • 毎月1,500円で:アフガニスタンの家族1世帯に防寒セットを配布できます。
    (防寒セットには、こたつと布団、炭、防水シート、スカーフなどが入っており、住む家を失った人びとも寒さをしのぐことができます。)
  • 毎月3,000円で:18人に衛生キットを配布することができます。
    (衛生キットには、石鹸、爪切り、歯ブラシ、歯磨き粉、石鹸置き、タオル、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、水タンク、コップ、生理用ナプキンが入っています。)

アフガニスタンの緊急時はもちろん、その後の自立まで、現地の人びとへの息の長い支援を応援したい、という方はぜひ寄付を検討してみてはいかがでしょうか。

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寄付金控除の対象団体です

今アフガニスタンで起きていること

現在、アフガニスタンでは国民の約半数、2290万人が人道支援を必要とする深刻な危機に直面しています。2024年には2370万人が緊急支援対象で、そのうち1240万人が食料不安に陥り、290万人が飢餓レベルに達していました。

一方、国内避難民は約320万人、国外にも530万人以上の難民が登録され、帰還と相まって支援需要が急増しています。

女性と子どもの権利は、タリバン政権下で著しく制限されています。女子の中等教育は禁止され、少数派ハザーラ族を含む女性や旧政権関係者に対する人権侵害事例も報告されています。

アフガニスタンで新しい学校年度が始まり、女子中等教育の禁止措置によって教育を受ける権利を奪われた女の子が40万人近く増え、合計220万人となりました。

ユニセフ

さらに、干ばつや極端気象が農業や水資源に大きな影響を与えており、UNICEFは首都カブールが2030年までに水資源を枯渇する可能性があると報告しています。

どんな支援が必要なの?

アフガニスタンでは現在、さまざまな分野で緊急の支援が求められています。

まず深刻なのは食料と栄養の不足です。人々の多くが飢餓に直面し、母子保健や妊産婦の栄養支援も行き届いていません。

医療分野でも課題は深刻です。たとえば2025年4月、1100万人以上の5歳未満の子どもにポリオワクチンが届けられました。しかし、完全接種率はわずか15%ほどにとどまり、多くの子どもが感染症のリスクにさらされたままです。

教育支援も欠かせません。先述の通り、タリバン政権下で女子の中等教育は禁止され、識字率が大きく下がる危険があります。絵本や視覚教材を使った支援は、読み書きが困難な子どもたちにとって貴重な学びの機会となっています。

中学2年生のときに女子中等教育が禁止され、その後3年半にわたり、学校に通えずに家で過ごしているラムジアさん。「友達や先生に会いたくてたまらない。将来への希望も持てないでいます」(アフガニスタン、2025年2月10日撮影)

ユニセフHP

また、水と衛生の環境も厳しい状況です。地下水の枯渇や汚染が進み、飲み水が手に入らない家庭も珍しくありません。井戸の建設は今なお重要な支援手段であり、JENやペシャワール会といった団体が現地で活動を続けています。

さらに、難民や国内避難民への支援も必要です。2025年には国外から120万人以上が帰還しました。しかし帰る場所も仕事もない人々が多く、再定住や住まいの確保、心理的ケアが急務です。

とくに支援を必要としているのは、次のような人たちです:

  • 戦争や自然災害で家を失った国内避難民
  • 教育や仕事の機会を奪われた女性や女の子
  • 親を亡くし、栄養失調に苦しむ子どもたち
  • ハザーラ族などの少数民族や旧政権関係者

寄付によってどんな成果が生まれているのか?

「本当に寄付で変わるの?」そんなことを疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、これまでも様々なNGOがアフガニスタンへの支援を行い、実績を出してきました。この章では、各団体がどのような成果を出してきたのか、簡単に紹介します。

ユニセフのワクチン支援では、1000円の寄付で100回分のワクチンを届けることができます。予防接種の普及が進むことで、重い病気から子どもたちの命が守られています。

予防接種の準備をするカリーマさん。

ユニセフHP

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寄付金控除の対象団体です

ペシャワール会はこれまでに1600本以上の井戸を建設し、約80万人に安全な水を届けてきました。

水が安定して手に入ることで、衛生環境の改善はもちろん、子どもたちが水汲みに時間を取られず学校に通えるようになるなど、生活全体に良い影響を与えています(団体報告より)。

井戸事業

ペルシャワールHP

シャンティ国際ボランティア会では、絵本の配布や読み聞かせを通じて、言葉を知らなかった子どもが笑顔を取り戻す姿が報告されています。「本をもらってから、毎晩読むのが楽しみになった」という声も届いています。

シャンティ国際ボランティア会HP

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寄付金控除の対象団体です

JENの井戸整備支援では、水汲みの負担が大きく減り、女性や子どもが他の活動に時間を使えるようになりました。清潔な水が手に入ることで、病気のリスクも減少し、家族の安心にもつながっています。

JEN Facebook

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寄付金控除の対象団体です

支援先として信頼できる?3つのチェックポイント

続いて、寄付先を選ぶ際に「寄付してよかった」と感じられる3つのポイントを解説します。

企業の良し悪しを判断する材料として、一般的に「ひと・もの・お金」の3つが大切と言われます。

NPOでは、それは「ひと・活動・お金」です。

企業で言うところの”もの”、すなわち”商品”は、NPOがどのようなアプローチで問題を解決しようとしているのか、つまり活動の内容です。

その活動内容に賛同することが、まさしく、寄付を通じた応援と言えると思います。

さらに寄付先として判断する上で、「ひと・活動・お金」を適切な言葉に言い換えると、「職員・活動・会計」です。
以下に、それぞれについて解説します。

職員の顔が見えるか?

NPOの活動には、代表をはじめ、理事や職員、インターンやボランティアなど、多様なスタッフが関わっています。

団体の公式サイトで職員の顔を出していることは、活動に自信がある証拠です。

「自分のお金を誰に託すのか?」を知ることで、より安心して寄付を続けることができます。

その上で、職員数やボランティアの人数など、関わっている人の数も確認できると、なお良いと思います。

  • 理事や職員などスタッフの顔が見えるか
  • どれくらいの人が関わっているか。人数が多ければいいわけではありません。

あなたと似たような想いを持って活動しているスタッフがいる団体なら、それはあなたの価値観とマッチする団体かもしれません。

活動によって問題を解決しているか?

同じ社会問題に取り組んだとしても、解決するアプローチは団体によって、実にさまざまです。

例えば「子どもの貧困」と一口に言っても、

  • 学習支援を通じて、子どもの学力向上に資する
  • 食品配付を通じて、健康や栄養状態を改善する
  • 相談窓口を通じて、虐待や暴力などを予防する

というように、団体によって活動の領域は異なります。

そもそもNPOが取り組んでいる問題は、すぐに解決には至らず、長い時間がかかることが多いです。

寄付先として検討している団体の支援アプローチは本質的に問題を解決し得るのか、またそのアプローチに共感するかどうか、などを見ると良いでしょう。

  • 寄付先の支援アプローチは問題を解決、もしくは改善しているか?
  • しっかりと実績や成果を上げているか。

そうした活動の進捗を定期的に報告するプログラムが整っている団体であれば、自らのお金がどのように活用されたかの理解が進み、寄付をするモチベーションが増します。

透明性の高い会計報告を行っているか?

ほとんどのNPOは、会計報告を公式サイトで公開しています。
逆に会計報告を公開していない団体は、資金を不正に利用しているのではないかと、寄付者から疑問を持たれても仕方がないでしょう。

団体の公式サイトを確認すると「会計報告」「年次報告」といった形で、会計や財務に関する情報を公開していることが多いので、チェックしてみましょう。

支出の内訳を、例えば事業費80%・管理費20%としている団体であれば、「1,000円寄付したら、おおよそ800円が直接的な活動に、200円が活動を継続していくために必要な費用に変わるんだ」と目安をつけることもできます。

  • 透明性の高い会計報告を行っているか?
  • 納得できるお金の使い方をしているか。

さらに、監査法人や公認会計士による監査を受けていることを確認できれば、より信用度は高まると思います。

まとめ:アフガニスタンでの活動に興味がある方のご参考に

以上、アフガニスタンで活動を行う団体を4つ紹介しました。

団体名寄付ナビ編集部オススメのポイント
ペルシャワール① 医師・中村哲氏の意思を継ぎ、医療・農業・井戸整備を包括的に支援
② アフガニスタン東部で35年以上活動、現地住民との信頼関係が強固
シャンティ国際ボランティア会① 文字が読めない子どもにも届く「絵でわかる絵本」を現地語で制作・配布
② 教育インフラが崩壊した地域でも、心のケアと学ぶ機会を両立する支援
ユニセフ① 1000円で約100回分のワクチンが届けられる、高い費用対効果
② 国連機関としての信頼性と、全国規模での予防接種キャンペーン実績
JEN① 住民参加型の井戸整備で、維持管理まで含めた持続可能な水支援を実施
② 水汲みの負担軽減により、女性や子どもが学校や生活に専念できる環境づくり


ぜひ寄付を検討する際の参考にしていただけると嬉しいです。

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