日本の子どもの貧困・教育格差を解決すべく活動している「公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン」(以下、CFC)。
日本における子どもの貧困率は11.5%(厚生労働省 令和4年「国民生活基礎調査」より)、その割合は「9人に1人」におよびます。
「そんなにいるの?」と感じた方も、多いのではないでしょうか。
この記事では、意外に知られていない「日本の相対的貧困」、CFCの活動内容と寄付の使い道、私が「CFCサポート会員」として毎月の寄付を始めた理由をご紹介します。
目次
“貧困の世代間連鎖”を断ちきるため、「相対的貧困」の子どもたちを支援
相対的貧困とよくセットで紹介されるのが、絶対的貧困です。
それぞれの言葉の意味をチェックします。
- 相対的貧困とは、普通の生活を送れていない状態。
国や時代によって、普通の生活の水準が変わる。
(例)日本で年収200万円以下の世帯 - 絶対的貧困とは、最低限守られるべき衣食住が充分でない状態。
(例)戦闘・紛争地域で生活している人々
絶対的貧困の方が一見すると緊急性が高く感じられますが、相対的貧困もとても根が深い問題です。
特に日本の相対的貧困は目に見えづらいと言われています。
貧困家庭の子どもでも、当たり前ですが、普通に衣服はまとっています。
周りのクラスメイトとも難なくコミュニケーションが取れていれば、毎日一緒にいる先生でも発見は困難です。
そして中学・高校・大学と進学するにつれ、子どもの学力や進路は親の収入によって、顕著に差が現れてきます。
東京大学入学者の53.7%は、親の年収が950万円以上(出典:東京大学「学生生活実態調査」(2021年))というデータからも分かるように、親の経済力で子どもの将来が左右されてしまいます。
貧困家庭に生まれた子どもも貧困から脱却できない「貧困の世代間連鎖」が起きているのです。
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寄付金控除の対象団体です
”スタディクーポン”とは?子どもたちが学習塾や習い事に通えるように
CFCは相対的貧困にある子どもたちに、スタディクーポンを支給する活動をしています。
クーポンの支給対象となる子どもたちは、
- 東日本大震災に被災した小学生〜高校生(全国に避難中の子ども含む)
- 関西3府県で生活保護を受給している世帯の小学生〜高校生
- 新型コロナウイルスで経済的影響を受けた世帯の中学3年生・高校3年生
となっており、2022年度は688名の児童・生徒にクーポンが支給されました。
子どもたちはクーポン利用先として登録されている塾や習い事に通うことができます。
単に学習塾のみを利用先としておらず、ピアノや空手、卓球や習字と幅広く揃えていることもポイントで、最近はプログラミング教室の人気が高いそうです。
(出典:チャンス・フォー・チルドレンHP)
子どもの貧困は放課後に現れる、と言われます。
貧困家庭の子どもの放課後に予定がないことが多いのです。
裕福な家庭に産まれた子どもが塾や習い事を自由に選ぶことができ、充実した放課後を送っているのに対し、貧困家庭に産まれた子どもは「あの子は何でも好きな習い事に通えるのに、なんで私はできないんだろう?」と感じることでしょう。
そうした「みんなはできるけど、私はできない」という経験を繰り返すことで、子どもの意欲が低下し、自己肯定感の低下へと繋がっていきます。
子どもがやりたいことにチャンレンジできないのは、私たち大人が想像する以上に辛いことなのです。
集めた寄付金の使い道は?85%以上を子どもたちのために活用
CFCは寄付金の85%以上を子どもへの直接的な支援費として活用すると、寄付の使い道を公表しています。
(出典:チャンス・フォー・チルドレンHP)
2022年度は新規利用者の定員261名に対して、888名から応募がありました。
600名以上のクーポンを必要としている子どもたち落選しており、まだまだ支援が行き届いていません。
私が活動説明会に参加させていただいた際には、「この事例を前例にして、実績をつくり、公的な支援へと広げていきたい」とのことでした。
すでに大阪市(大阪府)、南房総市(千葉県)、渋谷区・国立市(東京都)、上峰町(佐賀県)、那覇市(沖縄県)では、公的資金を投入してのスタディクーポン導入が始まっています。
行政へのアドボカシーという顔も併せ持つスタディクーポン。
子どもたちのやり抜く力を育てるためにも、サポート会員による継続的な支援が必要です。
私が「CFCサポート会員」として、毎月の寄付を始めた決め手
ここまで、日本の相対的貧困から、CFCの活動内容をお話ししてきました。
しかし、他にも良い活動をしているNPO団体は山のようにあります。
なぜ私が数あるNPOの中からCFCを選んだのか、支援の決め手となった話をしたいと思います。
私は中学時代、壮絶ないじめの被害者でした。
学校にも、家庭にも、どこにも居場所がないと感じていた当時の私にとって、唯一の居場所が学習塾でした。
「塾で勉強して、良い成績を取って、良い高校に行けば、もう私をいじめてくる人もいない」
そうして必死になって机にかじりついて勉強しました。
そんな私だからこそ、塾に通えずに家と学校を往復するだけの生活を送っている子どもが抱える閉塞感、居場所のなさは痛いほどによく分かるのです。
何かに挑戦したいと思ったとき、自分を支えてくれる人がいる安心感とともにチャレンジできる経験が、確実に子どもの自己肯定感を高めてくれます。
私はすべての子どもたちに、
- やりたいことに思い切り打ち込める場所
- 自らの人生を自らの手で切り拓くチャンス
この2つを提供したい、そんな想いで毎月の寄付をしています。
「日本の子どもに寄付をしたい」
「クーポンだから確実に支援が届く」
こんな風に感じていただけた方は、ぜひチャンス・フォー・チルドレンHPもご覧になってみてください。
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追記:支援を受けた子どもから、手紙が届きました
CFCサポート会員として寄付を始めて、早いもので1年が経ちました。
支援を受けた子どもから、感謝の手紙が届いたので、ご紹介させてください。
支援者の皆さま
私の将来の夢は医師になり、困っている人を助けることです。
そのため、大学に進学し、立派な医師になれるよう、勉強に励んでいます。
以前は、両親の収入も少なく兄弟も多かったため、塾に行くことができませんでした。
しかし、クーポンを頂いたお陰で、塾に行くことができるようになりました。
とても感謝しています。また、勉強の他にも部活動のバドミントンに力をいれてがんばっています。
まだ1年生なので、大会に出られる機会は少ないですが、先輩方のサポートができるように一生懸命取り組んでいます。
文武両道を心がけ、これからの高校生活をもっと充実させていきたいです。
この手紙を読んで、私は涙が溢れて止まりませんでした。
中学生のとき、いじめられて泣いていた昔の自分に、手を差し伸べることができたからです。
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