フリーランスとして活動しながら、マンスリーサポーターとして毎月NPOに寄付をされている、橋田倫代さんにお話を伺うことができた。
橋田さんの寄付先にかける想いは、まさにご自身の生き方が投影されているようだった。
目次
独立を機に「社会へ還元すること」を意識し始めた
前職では認定NPO法人フローレンスのサブマネージャー、現在は議員さんの秘書に加えて、東京オリンピック「みんなの想火(全国一斉に竹の灯篭を灯す)」プロジェクトのエリアマネージャーも務めるなど、橋田さんの活動は多彩だ。
現在の働き方や、社会貢献への考え方に至る、きっかけを伺った。
フローレンスでは、病児保育の利用会員担当・特別養子縁組の立ち上げ・代表秘書・保育士さんの採用人事労務など、いろんな仕事を任せてもらいました。
社歴が長くなり、居心地が良くなっていく一方で、このままでいいのかなという気持ちも。
「もっと個の可能性を広げてみよう!」と一念発起して、2019年9月に独立しました。
以降は私も何か社会にお返しせねば、という気持ちが生まれてきたように思います。
人生の分岐点とも言えるタイミングで、社会貢献を意識される方は多いが、橋田さんはまさにその事例だ。
「寄付を通じて、若い人を応援したい」という想いにも、頷ける。
クラウドファンディングをきっかけに、毎月の寄付もスタート
現在、橋田さんは「NPO法人ひとまき」のサポーターとして、毎月の寄付をされている。
ひとまきは生き方や働き方に悩む20〜30代を高知の限界集落で受け入れ、自らの生き方を見つめ直す時間、高知での人との出会いを提供している団体だ。
筆者もひとまきには、独立する前に団体の支援プログラムに参加して背中を押してもらったり、今も本業を通じて支援したり、といったご縁がある。
ひとまきには、全国に活動を広めるためのクラウドファンディングを支援したのがきっかけで、それから毎月の寄付もするようになりました。
私の地元・高知を盛り上げようと頑張っている若い人たちがいるのが、何か嬉しくて。団体のスタッフ全員でSNSを駆使しながら人を巻き込んだり、運営の見せ方も上手。
ひとまきからは、私たち世代にはない、自由をすごく感じます。
橋田さんは2019年5月に東京で開催されたイベントにも参加、毎月の寄付金額を増額するなど、サポーターになった後もひとまきの活動を継続的に見守っている。
寄付先選びは「若者」と「地方」の2軸
では橋田さんの寄付先選びに、何かポイントはあるのだろうか?
「もし、毎月の寄付先を増やすとしたら、他にどんな団体へ寄付したいですか?」
と、橋田さんに伺ったところ、
- 子ども(中高生から若者まで)を支援していること
- 地方(高知を始めとする関西圏)を盛り上げていること
といった点を意識したいとのこと。
私が現場でボランティアすることは難しくても、寄付なら想いを届けられる。
身近な人に、カンパするような感覚でいます。
他にも、「代表を始め、スタッフの顔が見えること」や「人が安心できるような居場所の支援を行なっていること」も共感ポイントになり得るとのこと。
活動の成果を報告することが、一番のお礼になる
寄付先の選び方の他にも、”印象に残っている寄付先からのお礼”について伺った。
それで言うと、私は「寄付したこと自体にお礼は必要ない」って思ってるんです。
返礼品ありきのふるさと納税などではなく、想いを持って頑張ってる人にお金を届けたい。お礼することに時間やお金を使うよりも、
「〇万人の子どもと母親に、支援を届けることができました!」
こんな形で、成果を報告してくれれば充分だと思います。
正直に言うと、この言葉を聞いて、筆者は自らの考えの浅はかさを恥じた。
橋田さんの視点は、NPO・NGOスタッフが忘れてはいけない視点だと感じたからだ。
いかに寄付者に喜んでもらえるようなコミュニケーションができるか、それを先行して考えてしまうのが、寄付を受け取る者の心情ではないだろうか。
「社会課題を終わらせること」「支援の質と量を可視化し、現状を正確に報告すること」そうした団体本来のミッションを達成することこそが、寄付者への一番のお礼になると、橋田さんに教えていただいたような気がした。
高知に人を呼び込んでくれて、ありがとう
最後に、橋田さんが寄付先のひとまきへかける想いを伺った。
私は高知市内の出身なので、ひとまきが活動している嶺北とは、厳密には異なります。
それでも、地元で頑張ってくれている若者がいるのが本当に嬉しいです。一口に社会貢献と言っても、今はいろいろなカタチがありますよね。
各々ができることを、ちょっとやる、それでいいと思います。
活動を伝える『次世代生き方図鑑』
今回のひとまきに限らず、橋田さんのような寄付者の想いが伝染し、寄付の輪が広がっていくことを願って止まない。
また今後は橋田さんご自身が、スタッフの自己実現を叶える”コミュニティー”となるようなNPOを立ち上げる予定とのこと。
橋田さんの活動も、心から応援したいと感じた。
いかがでしたでしょうか?
橋田さんの体験談から、
- 自分の想いを乗せられる寄付ってステキだな
- 私もできることから、意識を変えてみようかな
こんな風に感じていただけたなら、この上ない喜びです。