募金詐欺って本当にあるの?実際の手口と、簡単に見分けるポイント

「募金詐欺の実態を教えてほしい」
「よくある手口を知っておきたい」
そんな方に向けて、募金詐欺の事例と見分け方を解説します。

募金を本来の目的通りに役立ててくれる寄付先と、募金詐欺のような団体を、ご自身でチェックできるようになっていただけたら幸いです。

これって募金詐欺!?実際の手口を、口コミから調べました

まずは募金詐欺の被害にあった方、疑わしい現場を見かけた方など、ネット上の口コミを紹介します。

ケース1:怪しいフィリピン人が駅前で

外国人に街頭で声をかけられる事案が多いようです。

今日は帰宅時、静岡駅からバスに乗って帰ろうとして
(中略)東南アジア系らしき男性に呼び止められました。
「すいませーん、」
で、道でも聞きたいのか?と思って立ち止まったら、何やら日本語が書かれた名刺大のパウチ加工した紙を見せられて・・・
「フィリピンの恵まれない子供たちに・・・」
と、一瞬そのカードが目に入った
(中略)「ハイハイハイハイ」と、言いながら立ち去った

フィリピン募金詐欺に遭遇した方ーブログ

ラミネートしたカードを見せて、募金を勧誘する手口は、全国で確認されています。
他にも「募金者のリスト」と称して署名を強要される、というケースもあるそうです。

ケース2:「犬や猫(動物愛護)」「難病」などで勧誘

”いかにも”という切り口で善意の活動に扮して、いざ募金してみたら実態のない団体だった、というケースです。

(出典:補助犬の募金詐欺と疑わしき現場に遭遇した方ーTwitter)

「可哀想」「何かできることをしてあげたい」そんな善意につけこまれてしまいます。

ケース3:震災に便乗した募金詐欺

震災や豪雨、台風など、大きな災害が発生した際に、義援金と偽ってお金を騙し取ろうとする事例があるそうです。

  • 社会福祉関係団体を名のり、義援金の訪問集金を行うという電話があった。
  • 市役所の職員を名のり、義援金の名目で金銭の振込みを依頼する電話があった。
  • 「オホーツク海のカニを半額で買わないか。売上金の一部を義援金にする。」という電話があった。
  • 義援金を募集するメールが届いたが、メールに書かれているアドレスのリンク先が実際はアダルトサイトであった。

(出典:情報が寄せられた事例・手口ー消費者庁HP)

各家庭に電話やメールで義援金を募ることは、有り得ません。
戸別訪問なども含め、十分に警戒するようにしてください。

本当に募金詐欺している団体はあるの?資金を不正利用していた実例

ここまでご紹介したようなネット上の口コミは、本当に起こっているのでしょうか?
私が調査した限りでは、寄付金を不正に騙し取ったような事例は見つかりませんでした。

一方で、非営利団体が公共性の高い資金を不正に利用していた、という事件は確認することができました。

実例1:被災地の復興支援を装った、補助金の着服

復興予算から拠出された補助金を杜撰に管理していた非営利団体がニュースになりました。

東日本大震災の被災地復興支援費を私的に流用していた業務上横領の疑いで、きのう4日(2014年2月)に旭川市在住の復興NPO法人元代表の岡田栄悟容疑者(35)ら5人が逮捕された。(中略)逮捕の直接の容疑は、12年度の補助金7億9000万円のうち、少なくとも3000万円を義弟が経営するリース会社に振り込んで着服したというもの。

震災復興支援金を食い物!NPO代表12億円を飲み食い、海外旅行、身内企業に流用

記事によると、何度もテレビから取材を受けていたのにも関わらず、笑い飛ばして否定していたとのこと。
もし記事内容が事実なら、本当に残念です。

実例2:障がい者ホーム利用人数の水増しで不正受給

兵庫県西宮市で身体障がい者を受け入れている施設を運営していたNPOが、利用人数や日数を水増しして、補助金を不正に受け取っていたそうです。

西宮市は20日、身体障害者が共同で生活する「生活ホーム」を運営する同市のNPO法人「西宮がすきやねん」(吉田知英理事長)が、少なくとも平成25年度以降、利用人数の水増しなどで市の補助金約4300万円を不正受給していたと発表した。市は同法人に今年度末までに全額返還するよう求めている。

補助金4300万円不正受給 西宮、身障者ホーム運営のNPO

私自身、寄付を募る仕事をしている関係で、日本にある非営利団体のほとんどは誠実に活動していることを知っています。
が、こうした一部の団体によって、業界のイメージが悪くなるのは非常に悲しいですね。

「信頼できる寄付先」と「募金詐欺」の見分け方

では、どうすれば真っ当に活動している団体と、詐欺団体を見分けることができるのでしょうか?
外出時に判断する場合と、落ち着いて確認できる場合とに分けて解説します。

街頭などで募金する前に、最低限チェックするポイント

名前を知らない団体から勧誘された際に、小銭などではなく、ある程度まとまった金額を募金する場合は、

  • 団体名を検索して、団体のHPが存在するか
  • 具体的な活動内容&募金の使い道が明記されているか

といった点をチェックするようにしてください。
(もちろん、一旦家に持ち帰って検討するのも良いでしょう)

その団体が信頼できる寄付先であれば、もちろん団体のHPがあり、活動や会計についてオープンに公開しているはずです。
募金を行うのはそれを確認してからで、全く問題ありません。

通常時にチェックしたいポイント

自宅などで落ち着いて確認できる場合は、以下の5つをチェックするようにしてください。

  • 財務情報を公開しているか?
  • スタッフの顔が見えるか?
  • 法人格は認定NPO法人や公益財団/社団法人か?
  • 協働している企業や団体とどのような活動を行なっているか?
  • 活動報告を定期的に行なっているか?

それぞれの項目について、こちらの記事で詳しく解説しています。

その寄付先は信用できる?怪しい?「寄付してはいけない」団体と、信頼できるNPOを見分ける6つのポイント

参考:通報するときの窓口

万が一、不審な現場に出くわしたときは、以下の窓口へ通報することも検討してください。

  • 各地の消費生活センター等(消費者ホットライン「188」番)
  • 最寄りの警察署又は警察相談専用電話 #9110

(出典:消費者へのアドバイスー消費者庁HP)

以上、募金詐欺の事例と見分け方を解説させていただきました。
信頼できる寄付先が見つかり、募金本来の良さも知っていただけたら嬉しいです。

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