世界的なリゾート地として知られる、インドネシアのバリ島。
デンパサール国際空港から30分ほど車を走らせれば、プール付きのリゾートホテルが立ち並びます。
しかし、観光客がホテルで多くの水を利用する一方で、地元の人たちが稲作に必要な水を得られずに、貧困を悪化させていることはご存じでしょうか。
きらびやかな観光地の影で、地域の人びとの暮らしを圧迫している実態があります。
この問題意識から生まれたエシカルホテル、それがMana Earthly Paradise(マナ・アースリー・パラダイス)です。
Earth Companyのバリ法人が運営しており、彼らがミッションとして掲げている「人と社会と自然が共鳴しながら発展する世界(リジェネラティブなあり方)」を体現するホテルとして生まれました。
私も実際にMana Earthly Paradiseに宿泊させていただき、「インドネシアが抱える社会問題を皆さんに知っていただきたい、この活動のことを詳しくお伝えしたい」と思い、この記事を作りました。
今回ご紹介するのは、以下の2つの社会問題です。
- 環境問題:現地の住民にとって深刻な水の問題
- 貧困問題:貧しい妊産婦と新生児の死亡率の高さ
なぜEarth Companyがこの問題に同時に取り組むのかを知っていただくことで、団体が活動にかける想いが見えてきます。
またインドネシアでの滞在中に、過去にEarth Companyが支援した活動も、特別に見学させていただきました。
具体的な活動内容を押さえながら、寄付がどのような形で現場に届いているのかをお伝えしたいと思います。
あなたのご支援が、
地球の未来を創ります
Earth Companyは、濱川明日香さんと濱川知宏さんが2014年に共同で創設した日本発祥の団体です。
SDGsの多くの目標に取り組むリーダーを選出し、彼らの活動の効果を最大化する支援活動を行っています。
あなたも、Earth Companyへの寄付を通じて、子や孫の世代に豊かな地球を贈っていただけませんか?
目次
バリ島エシカルホテル「Mana Earthly Paradise」に宿泊
Mana Earthly Paradiseはバリ島の中でもウブドというエリアにあり、周りは田んぼに囲まれているような、とてものどかな場所です。
私は空港に到着してからタクシーを拾って、1時間強で到着しました。
田んぼとヤシの木のセットがウブドの原風景
Mana Earthly Paradiseにチェックインした後は、お部屋に案内していただきました。
客室(ヴィラ)は、土のうを積み上げて建てるアースバッグ工法で建築されています。
必要な木材は廃材として知られる竹を使い、一本も森の木を切らずに建てられたそうです。
家族用からドミトリーまで、用途に合わせて選べます
施設に使われている柱の一本一本に、ネームプレートが施されています。
このネームプレートを見ればどこから来た木材なのかが一目瞭然になっており、柱ひとつにもこだわって造られたことが伝わってきます。
地元の農民の貴重な水資源を奪わないよう、施設内で使う水は全て、雨水を貯水しタンクで濾過して循環させています。
キッチンや浴室から出た廃水も、施設内の植物の栽培に無駄なく活用されています。
また循環しているのは水だけでなく、
- 施設の照明はヴィラの屋根に敷設されているソーラーパネルで発電し、賄っています。
- 併設のレストランでは、バリ島在来種のたねを使い敷地内の畑で自然農法によって育てた食材を使用しています。
すべての資源を余す所なく、有効活用できるように全体が設計されています。
また施設の従業員は現地の方が多く、雇用の創出にもつながっています。
バリの自然環境のみならず、生活が守られます。
どれも美味しいですが私はスムージーボウルがお気に入りです
Mana Earthly paradiseの利益は、この後ご紹介するインパクトヒーローたちを支援する活動に使われます。
つまりエシカルホテルに宿泊することが、非営利の活動を後押しすることにつながります。
このようなプラスの相乗効果が、人と社会と自然が共鳴しながら発展する、Earth Companyの目指すリジェラティブなあり方です。
24時間365日、貧しい妊産婦に無償で医療を提供する助産院
途上国では貧困によって十分な医療を受けることが叶わず、妊娠や出産を理由に命を落とす女性が少なくありません。
中でもインドネシアの妊産婦死亡率は、東南アジアの他の国よりも高い状態にあります。
貧困層の妊婦は健診も受けられず、栄養不足による早産や、母子にとって命取りとなる大量出血を引き起こすこともあります。
安心して赤ちゃんを迎えることのできない地域が、私たちが住むこの星に、まだまだ残されているのです。
そんなインドネシアで、「奇跡の助産院」と呼ばれているのがブミセハット国際助産院です。
のべ1万人以上の赤ちゃんを自然分娩で迎え、病院搬送率5%、帝王切開率2.4%、授乳成功率100%、会陰切開率はなんと0.05%という驚異的な実績があります。
今回、Earth Companyのご厚意で、特別に見学させていただくことができました。
ブミセハットは「健全な母なる大地」を意味することば
このブミセハット国際助産院の創設者であり、代表のロビン・リムさんは、愛に溢れる「優しいお産」を伝え実践する人として、現代のマザーテレサと呼ばれています。
ロビンさんから助産の技術と思想を学ぶために、世界中から毎年6,000人以上の助産師・看護師が訪れるほどです。
ブミセハット国際助産院は、
社会的弱者の 「駆け込み寺」 です
ブミセハット国際助産院 創設者
ロビン・リム
ブミセハットのお産モデルは、妊産婦死亡率や大量出血件数の低さ、授乳成功率100%など途上国はもちろんのこと、先進国と比べても効果が優良なことがわかっています。
ブミセハットには今、世界各国から、クリニック設立依頼が殺到しています。
ブミセハットを必要とする他地域で、より多くの命を救えるよう、ぜひ、ご協力ください。
>> 寄付について詳しく
Earth Companyはロビンさんをインパクトヒーローとして選出し、2016年から2018年の3年間に渡って、資金調達や広報支援などあらゆる面で支援を行いました。
多くの企業がブミセハットに協賛しています
私が見学させていただいた時も、ロビンさんは100人くらいの助産師に研修を行っている真っ只中でした。
直接ロビンさんとお話しさせていただくことは叶いませんでしたが、24時間365日無償で医療を提供するという事前の触れ込みを目の当たりにし、感動に包まれながら助産院を後にしました。
助産院の運営費は、世界中から集まってくる寄付のみで賄われています。
バリ島滞在を機にEarth Loversとして毎月の寄付を始めました
Earth Companyはロビンさんのように、SDGsの多くの目標に取り組むリーダーをインパクトヒーローとして選出し、彼らの活動の効果を最大化するための支援活動を行っています。
ロビンさんの場合は、
- 貧困層の妊産婦を対象とした無料の助産院で、(SDGs目標1:貧困をなくそう)
- 新生児死亡率を低下させ、(SDGs目標3:すべての人に健康と福祉を)
- 社会的弱者を取り残さない。(SDGs目標10:人や国の不平等をなくそう)
上記のように、多くのSDGsの目標達成に貢献しています。
現在、Earth Companyからロビンさんへの支援は終了していますが、才能と気概に溢れるインパクトヒーローは毎年選出されています。
2022年のインパクトヒーロー、サミールさんの活動については以下の記事にまとめましたので、よかったらお読みください。
私はバリ訪問を機に、インパクトヒーローを毎月の寄付で応援する「Earth Lovers」に参加することを決めました。
ロビンさんのように、人生をかけて社会を良くしようと行動されている方を応援したいと思ったからです。
環境問題も、貧困層の母子の問題も、すべては地球の未来を明るく豊かなものにするという軸があるように感じました。
Earth Loversは継続的な支援プログラムですので、1回限りの募金とは異なり、定期的に詳細な活動報告があります。
- お申し込み時:希望者のみ、Earth Lovers 限定のFacebookグループへご招待
- 約2週間に1回:最新の活動が分かるニュースレターが、新月、または満月の日にEメールで届く
- 半年に1回:Earth Lovers 限定のイベント(活動報告会)へご招待
- 1年に1回:感謝の気持ちを込めて、インパクトヒーローからの動画メッセージがEメールで届く
実際にEarth Loversとして寄付を始めてみて、支援者とのコミュニケーションをとても大切にされている団体だと実感しています。
Facebookグループではほぼ毎日のように、バリ島をはじめとする活動現場の写真や動画が職員の皆様から送られてくるからです。
Facebookグループ「Earth Lovers」
もしあなたが、SNSがあまり得意ではなかったとしても心配する必要はありません。
隔週のニュースレターでも団体の活動状況は、充分に把握いただけます。
環境問題と貧困問題を同時に解決するーーー
あなたの寄付が、子や孫の世代まで続く地球の未来をつくります。
Earth Loversの申し込みを検討される方は、ぜひEarth CompanyのWEBサイトもご覧になってみてください。
追記:支援を受けたロビンさんからの動画メッセージ
最後に、ロビンさんから感謝の動画メッセージが、Earth Companyの公式YouTubeチャンネルにアップされていたので、ご紹介させてください。
あなたたちがどれだけ深く私にインパクトを与えたのか、あなたたちはごく氷山の一角ほどしか知らない。
日本のみなさまに支えてもらったおかげで、運営資金の心配をして眠れぬ夜を過ごすことも、孤独を感じることも少なくなりました。
どうかこの感謝の思いが伝わりますように…
Earth Company HP
ブミセハット国際助産院がある限り、赤ちゃんとお母さんの命は守られ続けます。
ぜひ、ご支援ください。