難民を支援する活動をしている国際NGOは少なくありません。
そのなかで寄付先を決めるなら、どんな団体を選べばよいのでしょうか?
「紛争や迫害で、故郷を追われた方々を助けたい」「異国の地で頼るもののない人たちに、優しくしたい」
そんな想いを抱いている方に私がお薦めしたいのが、認定NPO法人難民支援協会。
日本に逃れてきた難民の支援を専門に、20年以上にわたり活動する団体です。
目次
日本へたどり着いた難民が、助けを求めても追い返されそうに・・
この問題に心を痛めている方でも、「どこか遠い異国のできごと」と捉えている方も少なくないのではないでしょうか?
実はこの日本にも、アジアや中東、アフリカなどの国々から難民が逃れてきていること。
助けを求めても、追い返されそうになっている方々もいること、ご存知でしたか?
私自身、大学時代は国際関係論を専攻していたのもあり、難民問題は関心を抱いているつもりでした。
またシリアなど難民支援をするNGOに寄付をしたこともありましたが、「日本にいる難民」の苦境については、恥ずかしながら気に留めたことがありませんでした。
難民支援協会のWEBサイトによると、日本政府によって「難民」と認定され、在留が許可されたのは「わずか202人」。その一方、不認定とされたのは10,143人に上ります。(出典:難民支援協会HP)
「先進国で最低レベル」の受け入れ数ですが、その理由は難民認定の条件が厳しいこと。
- 母国に帰れば身に危険が及ぶことを、客観的証拠に基づいて証明しなければならない
- 証拠は日本語に翻訳して提出しなければならない
など、「自力で難民認定を得ることは、ほとんど不可能な制度になっている」ようです。
私が難民支援協会をサポートする、3つの理由
医・食・住の生活支援や難民認定をとるための法的サポートなどをしています。
これらの活動を支援するための「難民スペシャルサポーター」。
理由1:もし運命が違ったら、私自身が「難民」になるかもしれないから
難民として母国を追われたのは、紛争や迫害の被害にあった人々。
あるいは民主化運動などで、自由や人権を守るため体を張って戦った方々など。
- 日本に知り合いはおらず、頼れる先がない・・
- 母国から持ってきたお金も底を尽いてしまった・・
- 働くことは認められていない・・
母国に残した家族を想い、強制送還に怯える日々。
苦しさのなか、路上生活を余儀なくされる方も、少なくないそうです。
もし私自身が、言葉の通じない国に一人で放り出されたら?
皆さんも想像してみてください。帰る家はない、言葉は通じない、大使館にも頼れない。
考えるだけでゾッとするような怖い体験です。(難民支援協会のメールマガジンより)
理由2:日本にいる、私たちが「当事者」から逃れられない課題だから
先ほども述べたように、日本の難民認定要件は厳しく、「先進国でも最低レベル」の認定数です。
さらに2018年には法務省が、「難民申請を厳格化」を発表。
「日本は難民を保護していない!」と、ネガティブな印象を抱かれがちです。
ですが、一般的な日本人にシリアやロヒンギャなど海外の難民問題は知られていても、自国内の現状を知っている方は多くはない印象です。
難民支援協会は、この注目の集まりづらい日本の難民問題を専門に、20年近くも真摯に活動してきました。
医・食・住の生活支援
- 難民認定を法的に支援
- 経済的な自立をサポート
さらには難民認定制度を変えるための政策提言や広報活動も手がけるなど、日本の難民を総合的な支援する、日本で唯一の団体です。
扉を固く閉ざす政府の方針を批判するだけでなく、日本にいる私たちだからできる支援に、地道に取り組んでいきたい。「難民を受け入れる社会」を、民間から一緒につくっていきましょう。(難民支援協会 WEBサイト 石川えり代表のメッセージより)
難民支援協会に寄付が集まって、同協会の目指す「難民を受け入れられる社会」が実現したら・・
日本の難民問題は、私たちが「当事者」であることから逃れられないテーマ。
逆にいえば、私たち日本に住む人々だから、インパクトを及ぼしうる分野だと考えています。
理由3:社会の多様性が、日本に活力をもたらすと信じているから
まず「テロは犯罪など治安が悪くなるのでは?」という声も必ず聞かれます。
この疑問に対し、難民支援協会では下記のように回答しています。
通常、難民にも入国審査があり、治安上の懸念がある人かどうか確認されます。
もちろんリスクはゼロではないですが、外国人観光客と同様と私たちは捉えています。
(難民支援協会 WEBサイトより)
私が尊敬する経営者に、アンドリュー・グローブ氏(元インテルCEO)という方がいるのですが、彼は第二次世界大戦前のハンガリーで生まれたそう。
ナチス占領下でユダヤ人として幼少期を過ごし、戦後の親ソ共産政権という激動下を生き延び、その後難民支援組織の助けでアメリカに移民。
当時は英語も全く喋れなかったなか、苦学のうえ半導体の専門家として頭角を表した、という経歴を知り驚くとともに感銘を受けたものです。
他にも難民出身の著名人でいうと、たとえば以下など錚々たる実績を残した方がいるようです。
- アルベルト・アインシュタイン:相対性理論など発表した科学者
- フレディ・マーキュリー:ロックバンド「Queen」のボーカリスト
- ジャッキー・チェン:アジアを代表するアクション俳優
難民の受け入れ、さらには対象を広げて移民の受け入れの社会への影響については議論があるテーマです。
そのうえで個人的には、たとえば「移民の経済学」という本など読み、少なくとも経済的な面ではポジティブな効果が見られやすい、という実証的な分析を理解しています。
ひいては、イノベーションが生まれやすい風土が生まれる一助になることを、個人的に願っています。
活動を応援するには?月1,500円からの「難民スペシャルサポーター」
難民支援協会の年間の活動費用は、2億円近く。
その半分以上が、寄付で賄われているそうです。(出典:難民支援協会HP)
そのなかでも、毎月1,500円/3,000円/5,000円など定期的な寄付で支援するのが、難民スペシャルサポーターです。
- 月1,500円で、「入管など手続きのための交通費を支払えます」
- 月3,000円で、「路上生活に耐えている難民が、宿で一泊休むことができます」
- 月5,000円で、「成田空港に出向き、とどめ置かれた難民に面会できます」
一人ひとりの小さな思いが積み重なって、大きな問題を解決できるとしたら素敵ですね。
私自身もお金(寄付)や専門性(仕事)を活かして、難民支援協会を応援しています。
もしあなたが、「日本を頼って逃れて来た難民を助けたい」「危機に瀕した人たちに、寛容な社会でありたい」「信頼できる支援先を探していた」など思われるなら、ぜひWEBサイトを見てみてくださいね。
追記:戦後、私の祖母と父に降りかかった運命の話
幼い子ども3人を連れ、命からがら日本に「引き揚げ」てきたそうです。
一歩間違えれば、私の祖母や父などは、「難民」として異国の地に取り残されていたかもしれません。
幸運にして、平和な環境で生活できている幸運に感謝して、不運にも故国を追われた方々を支援しようと思いました。