人身売買、根絶に向けた対策は？NGOの防止活動の事例3選

政府による対策や、国際機関の取り組みなど、各方面が人身売買の根絶に向けて動いていますが、非営利団体はどんなアクションをしているのでしょうか？

「問題の根が深すぎて、焼け石に水なのでは？」
「人身売買をなくすためには、あと何が必要の？」

こんな疑問をお持ちの方へ、NGOの防止活動を3つご紹介します。

事例1:インドで、売春宿に売られる子どもを助ける（かものはしプロジェクト）

人身売買の規模が世界最大と言われているインドで活動しているのが、認定NPO法人かものはしプロジェクトです。

インド東部の西ベンガル州に貧しい農村があり、西部の大都市ムンバイまで、たくさんの女性や子どもが売り飛ばされているそうです。

（出典：子どもが売られない世界をつくるー同団体HPより）

インドは州自治であるが故、州をまたいで拐われてしまうと、トラフィッカーと呼ばれる仲介業者は殆ど逮捕されません。

そうした現状を変えるため、かものはしプロジェクトでは、子どもが売られない仕組みづくりを行なっています。

• 包括的人身売買取締法案が国会を通過できるように、各省庁への働きかけ
• 被害者への裁判支援（加害者の有罪判決、被害者補償の獲得など）
• 人身売買の問題を伝えるため、国内のメディア掲載

特に、包括的人身売買取締法案はインドで子どもが売られない社会の仕組みづくりを加速するためにとても重要とのこと。

その取り組みのひとつとして、首相に向けたハガキ送付キャンペーンが2018年に行われました。
サバイバー、その家族、そして賛同する地域の人々が、人身売買という問題を解決するために政府に取り組んでほしいという思いをこめたハガキをモディ首相に向けて出したのです。
それは11の州で行われ、約11万通もの手書きのハガキが制作されました。
（中略）署名だけでなく、手書きのメッセージをこれだけの数集めるというのは、簡単なことではありません。

社会を変えるためのサバイバーによる力強いアドボカシー活動ー同団体HP

負の面だけでなく、こうして課題解決に向けて行動を起こす現地の方がいるのは、本当に頼もしいですね。

かものはしプロジェクトは、2022年までにインドでの人身売買をなくすことを目標に、支援を続けています。

事例2：ウガンダで、女性のための安全な街づくり（プラン・インターナショナル）

公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンは子どもへの暴力を防止するための取り組みを行なっている国際NGO団体です。

活動内容

• 地域を拠点とした子どもの保護システムの確立
• 人身売買、児童労働などの搾取防止
• 女の子にとっても安全な街づくり　など

（出典：子どもの保護ー同団体HPより）

プラン・インターナショナルは特に状況のひどかったアフリカのウガンダに着眼して、2014年から現地で支援を行なっています。

バイクタクシーの運転手や数百人の若い男性を対象にトレーニングを実施し、犯罪未然防止、ジェンダー平等意識の向上などを図っています。

（安全な街づくりに参加した男性たちー同団体HPより）

2018年度は184万1,381名にジェンダー平等と子どもの保護に関するトレーニングを実施したとのことです。（出典：活動報告書ー同団体HPより）

事例3：日本の人身売買・性的搾取を根絶する（ライトハウス）

NPO法人人身取引被害者センターライトハウスは、日本で起こる人身売買の問題を専門に取り扱っている団体です。
信じ難いですが、私たちの身近なところにも、この問題はまだまだ残っています。

ライトハウスは人身取引への対策として、以下の取り組みを行なっています。

• 警察や入国管理局や議員向けに人身取引対策の研修
• 各省庁への政策提言
• 被害者が相談できる窓口（電話支援や面談など）
• 啓発マンガの配布

2017年度は相談窓口で226名からの新規相談を受け入れて、46講演4,513名に講演・研修を実施したとのことです。（出典：2017年度年次報告書ー同団体HPより）

ライトハウスに寄せられた相談事例

（出典：相談支援ー同団体HPより）

上記の活動以外にも、児童ポルノ図書の販売停止を求めてアマゾンジャパンに意見書を提出したり、新聞やテレビといったメディアに年間100回以上掲載されたりといった、企業や個人に問題を伝える活動も並行して行なっています。

以上、非営利団体が行なっている対策をお伝えしてきました。
人身売買の根絶のために、私たちができる支援をこちらでご紹介しています。

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