(出典:トイボックスHP)
子どもの貧困、教育格差、女性の社会進出など、国内でも様々な社会課題が注目され、ニュース等でも取り上げられる機会が多くなりました。
そんな中で、海外の問題だけでなく国内の問題をなんとかしたいという想いを抱いている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方に向けて、今回は国内、特に大阪で活動を行う団体を3つご紹介します。
「日本で起こっている問題解決のために寄付したい」
「大阪が地元で何か力になりたい」
「大好きな大阪の街に貢献したい」
そんな方にとって、少しでも寄付先を選ぶ際の参考になると嬉しいです。
目次
包括的な活動でホームレス問題を根本から解決する(Homedoor)
Homedoorは、代表である川口さんが当時14歳で大阪市西成区にあるあいりん地区 (釜ヶ崎)のホームレス問題に出会い、2010年、19歳の時に立ち上げた団体です。
「ホームレス状態を生み出さない日本の社会構造をつくる」をビジョンに、大阪市北区を中心として活動しています。
「あそこに行けば、絶対になんとかなる」
Homedoor HP
そんな風に思ってもらえる場所が、この日本でたった1つでもあれば、路上で亡くならずに済むのではないか。
路上から脱出したいと思ったら、誰もが脱出できるようになるのではないか。
そんな仮説を元に、Homedoorの活動はスタートしました。
具体的な活動としては、以下の6つが挙げられていました。
ホームレスの方々に直接支援を届けるだけではなく、そもそもの問題を広く、正しく知ってもらうための啓発活動も合わせて行うことで、社会の仕組みから変えていこうとしています。
- 届ける(巡回活動、店舗ポスター・WEB広告での啓発)
- 選択肢を広げる(アセスメント、シェルターの提供、他機関との連携)
- 暮らしを支える(居場所づくり、食堂の実施、健康サポート)
- 働くを支える(仕事の提供、一般就労移行、金銭管理サポート)
- 再出発に寄りそう(引っ越し・見守り、就労定着、卒業生サポーター)
- 伝える(公園・ワークショップ、路上生活者調査、啓発用教材販売)
活動内容 | ホームレスなど生活困窮者への就労支援・生活支援 |
活動地域 | 大阪市北区を中心に、大阪府全域 |
支援対象 | ホームレスをはじめとする生活困窮者 |
寄付の使途 | ホームレスの巡回活動や全国各地からの相談に応える相談業務 |
運営団体 | 認定NPO法人Homedoor |
Homedoorでは、月々1,000円からの継続寄付、好きな金額での都度寄付、食品や家電、生活用品などの物品寄付などさまざまな方法を受け付けています。
Homedoorは大阪市より認定を受けた認定NPOのため、寄付金控除を受けることができるのも嬉しいポイントです。
興味のある方は、ぜひこちらからご自身にあった支援の方法を探してみてください。
困難を抱える子どもたちが自信を育める場を作る(トイボックス)
トイボックスは、一人ひとりの多様性を活かせる社会を目指し、「ひとづくり」「まちづくり」「つながりづくり」の3つをキーワードに活動している団体です。
トイボックスの特徴は大阪府を中心とした自治体と連携し、様々な事業を展開していること。
子育て支援やまちづくり、文化振興などを各自治体が直面している課題の解決から、総合的な施策連携までを行っています。
そんな中で代表的な事業となっているのが、池田市教育委員会の委託で実施している全国でも珍しい公設民営のフリースクール、「スマイルファクトリー」。
様々な理由で学校教育の枠組みに収まりきらないこども達。
トイボックスHP
池田市とトイボックスが2003年に市立山の家で始めた日本初の公設民営のフリースクール「スマイルファクトリー」は、それ以来、教育委員会や学校、地域と連携しながら活動を続けてきました。
(中略)
ありのままの自分でいい。
そう思える力をこども達が身につけられる場所。
こども達の笑顔を生み出す場所。
それがスマイルファクトリーです。
2007年に新設された高等部も含めて、6~20歳の約70人が市内外から通い、スマイルファクトリーで自信を取り戻し、社会へ羽ばたいていっているそうです。
活動内容 | 多様性を生かせる社会を目指すひと、まち、つながりづくり |
活動地域 | 大阪府(池田市、門真市、東大阪市、大阪市、箕面市)、福島県南相馬市 |
支援対象 | 対象地域の子どもたち、連携先となる自治体 |
寄付の使途 | 不登校の子どもを対象としたフリースクール「スマイルファクトリー」の運営費用 |
運営団体 | 特定非営利活動法人トイボックス |
トイボックスでは、大きく分けて2つの寄付の仕組みが用意されています。
スマイルファクトリーの運営をサポートする寄付会員「スマイルサポーター」と、活動全体をサポートする定期寄付・都度寄付です。
トイボックスは認定NPOではないため寄付金控除の対象にならない点には注意が必要ですが、スマイルサポーターは1,000円から、活動全体を支える支援は500円から行うことができます。
困難を抱える子どもたちを支えたい、地域のつながりをより良いものにしていきたいという方は、こちらからぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
子どもがいても当たり前に働ける社会を実現する(ノーベル)
ノーベルは、女性が結婚や子育てを理由に次々と会社を辞めてしまうことに問題意識を持ち、「子どもを産んでも当たり前に働ける社会」の実現を目指して2009年に設立された団体です。
女性が働き続けることが難しい理由は様々ですが、その中で「子どもが病気になったときに預ける先がない」という課題に着目。
関西初となる「共済型・地域密着型」病児保育事業を展開しています。
ノーベルで特徴的なのは、ホームページに、現在の活動だけではなく将来を見据えた2030年のゴールも具体的に示されていること。
病児保育事業だけではなく、働く親御さんの仕事と子育ての両立をサポートするために、子育て中に困ったことが起きても、たすけてくれる人がいて、解決できる選択肢が身近にある。
ノーベルHP
それにたすけられた人が、次は応援する側や、支える側にまわり、たすけあいをつないでいく。親しいつながりがいっぱい交差する社会。
(中略)
ノーベルが描くのは「2030年に描くのは、子どもを産んでもフツーに両立できる社会」です。
病児保育事業の受入れ拡大や、障がい・福祉・医療看護分野との連携拡大など、現在の活動の延長だけではなく、行政への提言や子育てを担う保育スタッフコミュニティの開始など、さまざまな視点での具体的な行動目標も示されていました。
活動内容 | 訪問型病児保育室、一時保育室の運営 |
活動地域 | 大阪市を中心とする大阪府全域 |
支援対象 | 子どもを持ち仕事との両立の実現に課題を抱える親 |
寄付の使途 | 経済的困難・預かりに専門性が必要となる家庭のサポート費用、団体の運営全般 |
運営団体 | 認定NPO法人ノーベル |
ノーベルでは、経済的困難を抱える家庭や預かりに専門性が必要となるスペシャルニーズを持つ家庭を支援する仕組み、ノーベルの活動全体を支援する仕組みの2つが用意されています。
認定NPOなので税額控除を受けることも可能です。
働く女性たちを応援したいという方はぜひこちらから詳しく見てみてください。
以上、大阪で活動する団体を3つご紹介しました。
少しでもそれぞれの団体が扱う問題について、さらにはその活動について、興味を持っていただくきっかけになると嬉しいです。