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テレビから流れてくる虐待のニュース。虐待の詳細について、あまりにも衝撃的な内容に、知りたくない、聞きたくない、という思いから、最後まで見ることができない方も多いのではないでしょうか。
日本で虐待の通報件数は、年間20万件まで増加。最悪のケースとして、77人の子どもが1年間で死に至っています。(※1)
海外に目を向けると、年間100万人もの子どもたちが、世界中のどこかで性的搾取を目的とした人身売買の被害にあっています。(※2)
カンボジアで子どもが売られない仕組みづくりを行い、問題解決に貢献し、日本でも暴力や虐待に苦しむ子どもをなくすために活動を始めた日本人がいます。
※1 厚生労働省 「令和3年度児童虐待相談対応件数(速報値)」より
※2 ILO 2017年 Global Estimates of Child Labour RESULTS AND TRENDS,2012-2016より
「勉強をしてみたかったな」だまされて売春宿に売られ20歳で亡くなった少女
東南アジアの農村で暮らすミーチャ12歳。母親は病気で亡くなりました。父親は病気で働くことができず、働き手は長女のミーチャだけです。
ミーチャは家族のために12歳で農村を出ました。出稼ぎに行った先はなんと売春宿でした。子守の仕事だと聞いていたのに、だまされて売春宿に売られてしまったのです。
客を1日何人も取らされ、毎日泣きながら暮らしました。そして、エイズを発症し、20歳の若さで亡くなりました。
「私には本当は夢があって、学校へ行って、勉強というものをしてみたかったな…」
亡くなる前に彼女が漏らした言葉です。
※出典:大久保 真紀著「買われる子どもたち―無垢の叫び」
「子どもが売られない社会を作る」日本の大学生が始めた活動
自分のワンピースと同じ1万円で売られる少女…
村田さんは大学2年生の時に授業でミーチャのことを知りました。
この問題を知るまでは、親に学費を払ってもらって大学に通い、趣味のファッションを楽しみながらサークル活動に参加する普通の大学生でした。
ミーチャがだまされて売られた金額は1万円。その時村田さんが着ていたワンピースと同じ値段でした。
「望んでも1回も学校に行けなかった女の子。親に学費を払ってもらい、大学に通う私。
生まれた環境が違うだけで、どうして与えられた運命がこんなにも違ってしまうのだろう?」
村田さんは、この時に受けた衝撃は忘れることができなかったそうです。
カンボジアで知った悲惨な現実
村田さんはいてもたってもいられず、大学の夏休みに、カンボジアの児童買春の被害者を保護している施設を訪問し、そこで6歳と12歳のこどもに出会いました。
二人は抵抗できないように電気ショックを与えられながら売春させられていたのだそうです。保護された時、彼女たちの腕には電気ショックによる火傷の跡が無数にありました。
また、夜が来ると泣き叫び、熟睡できません。PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状に悩まされていました。
村田さんが「彼女たちの親は、子どもが売られていく先が売春宿だと知っていたのですか?」と質問すると、施設の所長は「知っていたけれども借金を背負っていたために、彼女たちを売るしかなかったのだ」とつぶやきました。
「この問題を絶対に解決する」20歳の決意
こうした悲惨な現状を目の当たりにし、村田さんは「絶対にこの問題を解決する」と心に決めました。
しかし、誰もが、
「君には無理だ」
「二十歳の女子大生に何ができる」
「政府の人間じゃないと、世の中を変えるなんてことはできないよ」
と反対しました。
解決が困難な故にこの問題に取り組んでいる団体が少ないと感じていた村田さんは「やっている人が少ないならば、知った自分がやるしかない」と決心し、「子どもが売られない社会を作る」ことを目指し、「かものはしプロジェクト」を立ち上げました。
子どもを「買わせない」「売らせない」。かものはしプロジェクトの取り組み
一人ひとりの女の子を助け出すだけでは、この問題を解決することはできません。かものはしプロジェクトは、「子どもが売られない」仕組みを作ることが必要と考えました。
最初に活動したカンボジアでは「買う側」と「売る側」両方に働きかけ始めました。
売春宿や子どもを買う人を摘発するための警察支援や、子どもを売らなくてすむようになるために貧困家庭の女性を雇用する工房の経営に尽力しました。
その結果、カンボジアでは性犯罪の加害者の逮捕件数は2001年からの9年間で大幅に増え、子どもを置く売春宿はほとんどなくなり、「人身売買の問題がほぼ解決した」と言えるまでになりました。
日本でも、子どもが暴力や虐待で苦しまない社会をつくりたい
海外での人身売買の問題を国内で伝えていくなかで、私たちの耳に届いたのが、日本の子どもたちの苦しんでいる状況でした。
たとえば親の虐待から逃れるため、家を出る。
寝る場所にも困る中で、騙され、監禁され売春を強要される10代の少女の状況などです。
日本でも子どもが売られている状況がある。
自分が傷つく場所から逃げるはずが、搾取をされ続けている子どもたちがいる。
「カンボジアで見てきたことと同じじゃないか!」
足元の日本でも同じことが起きていることを知り愕然としました。
日本の子どもたちに起きている現状を知るために、村田さんは家庭で過ごすことが難しい小中学生を預かる児童相談所の一時保護所を訪問しました。
子ども達に起きている問題の根を突き詰めて見えてきたのは、家庭が安全でない子どもたちの状況でした。
・家庭で暴力をふるわれた子ども
・十分な食事を与えられず放置状態の子ども
・生まれてすぐ遺棄されてしまった赤ちゃん
日本で虐待の相談対応件数は、年間20万件まで増加。最悪のケースとして、77人の子どもが1年間で死に至っています。(※)先進国で制度があるはずの日本でも、大人によって傷つけられている子どもたちがいると、わかってきたのです。
「海外でも日本でも、子どもが暴力や虐待で苦しまない社会をつくりたい」
かものはしプロジェクトは、国内での支援団体や行政機関と連携しながら、2019年から児童虐待の問題に取り組み始めました。
※厚生労働省 「令和3年度児童虐待相談対応件数(速報値)」より
アンケートに答えてかものはしプロジェクトに無料で支援を届けよう
だまされて売春宿に売られ、働き続けさせられる。今でも年間100万人の子どもたちが、世界中のどこかで性的搾取を目的とした人身売買の被害にあっています。
また、先進国で制度があるはずの日本でも、大人によって傷つけられている子どもたちがいます。
「かものはしプロジェクト」は、「世界で、日本で、子どもが暴力や虐待で苦しまない社会をつくる」ために活動を続けています。
今なら、アンケートに答えるだけで「かものはしプロジェクト」に10円を寄付することができます。
費用は寄付ナビが負担するため、あなたには費用は一切かかりません。参加するためのご登録も不要です。所要時間は30秒程度です。(※)
※ NPOやNGOを支援したい方の寄付先選びをガイドする「寄付ナビ」の運営会社・寄付ナビ合同会社(東京都千代田区)が費用を負担いたします。
「子どもが暴力や虐待で苦しまない社会をつくりたい」と思っていただけたなら、無料支援に参加してみませんか?
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