スーダンで命を救うために外務省を辞めた男。「理屈じゃない、動くんだ」ロシナンテスは今日も走り続ける。

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ロシナンテスは、アフリカのスーダンやザンビアで医療活動を行う国際NGOです。
代表である川原尚行さんは、これまで「情熱大陸」や「プロフェッショナル仕事の流儀」などにも出演したことがあり、
もしかするとご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

外務省の医務官としてスーダンへ。そこで彼が目の当たりにしたもの。

川原さんは九州大学医学部を卒業後、2002年に外務省の医務官としてスーダンに赴きました。
そこで彼は、スーダンという国の厳しい状況を目の当たりにします。

ある日訪れた病院で、病室に並ぶたくさんのベッド。
マラリアやコレラで苦しむ患者が、一つのベッドに何人も寝かされていました。
驚くことにベッドは建物の外にまで続いており、
太陽の照りつける下でも、たくさんの患者が点滴の管に繋がれていたのです。

しかし医務官は、現地の日本人への医療スタッフとして派遣されており、
スーダンの人びとへの医療行為は認められていませんでした。

毎日、たくさんの人々が苦しみ、亡くなっていくのをただ見ていることしかできない。
本当に自分はこれでよいのか、
外務省を辞め、一人の医師として、目の前の命を救うべきなのではないか。
しかし自分には幼い子どもが3人もいる…。
川原さんは悩み続けます。

だって「見てしまった」から。
「理屈じゃない、動くんだ」という衝動に突き動かされ、ついに外務省を退職。

自問自答を繰り返す中で、彼が心から消し去れなかったもの。
それは、自分は亡くなっていくスーダンの人々を「見てしまった」という、
疑いようのない事実でした。

見てしまった以上、一人の医師として、人間として、見て見ぬふりはできない。
「理屈じゃない。動くんだ」
そんな熱い衝動に突き動かされ、川原さんはついに外務省を退職する決心をします。

そしてこの「理屈じゃない。動くんだ」という言葉は、
その後のロシナンテスの活動を貫く、ひとつの信念になっていきます。

ロシナンテス立ち上げ。
「ONE FOR ALL, ALL FOR ONE」の精神がスーダンの地で躍動する。

外務省を辞めた川原さんは、たった3人の仲間とともに医療活動を開始しました。
のちのロシナンテスです。

活動当初から川原さんが大切にしたのは、チームで前に進んでいくこと。
もともと彼は高校時代、聖地花園を目指した生粋のラガーマン。
そこで学んだ「ONE FOR ALL, ALL FOR ONE」の精神が、遠いスーダンの地でも発揮されます。

仲間とともに、無医村と呼ばれる医者のいない地域を車で巡回し、多い時には日に200名をも診察。
ひとりで全てを変えることはできないけれど、仲間がいれば、挫折しても続けることができる。
そしていつか、何かを変えることができる。
そう信じて、川原さんと仲間たちはがむしゃらに灼熱のスーダンを駆け回ります。

待ち受けていた、想像を超える困難の連続…。だが、けっして諦めない。

しかしロシナンテスを待ち受けていたのは、想像を超える困難の連続でした。

寄贈された、段ボール20箱分の医薬品をスーダンに運んだときのこと。
喜んでもらえると思ったその薬は、スーダンでは認可されていないことが判明、
すべて廃棄処分せざるをえないことに。
貴重な、そして多くの命を救えるはずの医薬品を自らの手で燃やしながら、
涙がこぼれて止まらなかったと川原さんは言います。

とある村で、ファーティマちゃんという13歳の少女を診察した時のこと。
心臓に不審な点を見つけた川原さんは、300キロ離れた大きな病院での精密検査を両親に提案。
しかし貧しい暮らしを送る両親に、その費用はあまりにも高額でした。
飼っていた貴重な家畜を売っても、それでもお金が足りない…。

その時川原さんを突き動かしたのは、「理屈じゃない。動くんだ」という、あの熱い衝動でした。
彼は費用をロシナンテスで負担する覚悟で、彼女を病院へ連れていきます。
それが正しいことなのかはわからない。けれどそうしなければ、目の前の命は確実に失われてしまう。
結果、ファーティマちゃんは回復し、失われかけた一つの命を繋ぎ止めることができたのです。

「患者を診る」だけでなく「地域を診る」。
ロシナンテスが目指す、その先の、できること。

長年にわたり様々な場所を駆け回る中で、
川原さんは、目の前の「患者を診る」だけでなく、
彼らが暮らす「地域を診る」ことが何より重要だと気づかされます。

マラリアの温床になる水たまりはないか。
飲み水の水質はどうか。下水施設はどうなっているのか。
彼は診療の合間を縫って、村々のインフラ環境までも、できる限りチェックします。

病の根っこには必ず地域の問題があり、
その根っこを改善しない限り、人々の病は永遠になくならない。

清潔な水を供給するための浄化装置、妊産婦の待機施設(マザーシェルター)、
継続的に人々を診察できる診療所…。

それらがあれば、もっと救える命がある。
ロシナンテスが見据える領域は、より深く、そしてより大きくなっています。

クラウドファンディングで集まった資金で、手作りの3つの診療所を建設。

東京都とほぼ同じ面積でありながら、29の無医村があるワッドアブサーレ区。
もともとロシナンテスは、この地区を2週間かけて巡回診療していましたが、
村の人々からすると、診療を受けられるチャンスは月に1度。
それでは緊急の対応や継続的な医療の供給ができないと判断したロシナンテスは、
州保健省を交えて話し合いを重ね、3村に診療所を建設することに漕ぎつけました。

といっても、診療所の建設はレンガを作るところから始まる、文字通り1からのスタート。
そのためには、なによりもまず資金が必要でした。

そこで「土とレンガの診療所プロジェクト」と名付けたこの計画を
クラウドファンディングで発表すると、日本のみなさまから、
28,580,405円ものご協力をいただくことができました。

その甲斐あって、2018年1月に3棟すべてが無事完成。
州保健省への引き渡しを終え、現在フル稼働で活躍しています。

アンケートに答えて、無料でロシナンテスを支援しよう!

ロシナンテスの由来となったロシナンテは、
小説「ドンキホーテ」に出てくる、痩せた馬の意味です。
一人一人は非力な存在だとしても、力を合わせればできることがある。
ロシナンテスは、そんな思いから出発しました。

たった3人で活動を開始したロシナンテスですが、いつしかメンバーも増え、
今ではスーダンにとどまらず、ザンビアでも活動を行うようになりました。

そんなロシナンテスの活動は、言うまでもなく、みなさまのご協力によって支えられています。
だとしたら、ロシナンテスのメンバーは、現地にいるスタッフだけではありません。
寄付をしてくださる全ての方々が<チーム・ロシナンテス>の一員である。
心から、そう考えています。

理屈じゃない、動くんだ

それが、ずっと変わらない<チーム・ロシナンテス>の合言葉です。

 今なら、アンケートに答えるだけでロシナンテスに10円の無料支援ができます。費用は寄付ナビが負担するため、あなたには一切費用はかかりません。(※)参加するためのご登録も不要です。所要時間は30秒程度です。

※ NPOやNGOを支援したい方の寄付先選びをガイドする「寄付ナビ」の運営会社・寄付ナビ合同会社(東京都千代田区)が費用を負担いたします。

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