募金とは?意味や種類から、募金詐欺の見分け方、災害の寄付先まで徹底解説

災害などで困っている人を見かけると、少しでも助けたい……でもボランティアに行く時間はない……と葛藤してしまう方は多いのではないでしょうか。
せめてお金を……と募金や寄付を検討する方も。

でも、いざ募金という段階になって、実は募金について詳しく知らなくてビックリ……ということがあるかもしれません。
今回は、募金のいろはを改めて解説します!
迷われてる方は、参考にしてみてくださいね。

募金とは?言葉の意味、寄付・義援金との違いをチェック

自然に使っている「募金」という言葉。
「実際どういう意味?」と、ふと疑問に思ったことはありませんか?
まず「募金」の意味を確認してみましょう。

募金と寄付は、ほぼ同じ意味

募金とは、簡単にいうと「お金を募って集める」こと。
「募る」という言葉には、「広く招き集める」という意味があります。
多くの人から広くお金を集める行為が募金と考えて差し支えないでしょう。

ところで、「募る」のは集める側が使う言葉。
もともと「募金」は、お金を集める側が使う言葉だったようです。
今は「募金した」というように、お金を差し出す側も使う言葉になっています。

また、寄付との違いに戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。

寄付とは、お金や品物を送ったり、差し出すことを指します。
募金と似ているようですが、前述の通り、「募金」は本来「集める側」が使う言葉。
そして「寄付」は「差し出す側」が使う言葉。
実は正反対の意味なのです。
現在は募金も「差し出す側」が使う言葉になりつつあるので、実際は大きな意味の違いはないと言えるでしょう。

義援金は被災者へのお見舞い金

それに対して、「義援金」は寄付や募金とは大きく異なります。
義援金は、災害時に生活に困窮している被災者を支援するために差し出されたお金のこと。

国や自治体、もしくは日本赤十字社などを通じて、被災者の方々にお金が直接配分されるのが特徴です。
寄付や募金が支援活動を行う団体の活動資金になるのとは違って、直接被災者の方に届けられるお見舞金のようなイメージです。

義援金と支援金(寄付・募金)の違いは?震災や台風などの緊急支援で、どちらを選べばよい?

募金、寄付、義援金……いずれにせよ現地の方々の心強い支えとなります。
自分がどういう形で現地の方々を支えたいのかイメージして、寄付する先を決めてみましょう。

募金詐欺に遭わないためには?信用できる団体の見分け方

困ってる人を助けたいと募金した大事なお金。
でも、本当に現地の役に立ってる?
もしかして、怪しい団体だったんじゃ……と不安になってしまうことも。

募金して「いいことした!」と誇らしい気分だったはずなのに、なんだか台無しな気分になってしまいます。

悲しいことですが、大きな災害に乗じて募金を集めてだまし取る団体や、お金の管理がずさんな団体の噂やニュースは、ごく一部ですが存在します。

そのような募金詐欺に遭わないためにはどうすればよいでしょうか。
街角での募金活動に寄付する場合は、下記のことを気をつけてみましょう。

  • 団体名をスマートフォンなどで調べて、団体のWebサイトが存在するか確認する
  • Webサイトに具体的な活動内容や、募金の使い道が明記されているか

もし、出先で調べる余裕がない場合は、小銭など負担にならない小さい額を寄付すること、その場では寄付を取りやめることをオススメします。

自宅など、時間をかけて団体の確認ができる場合は、その団体が以下の点に当てはまるかを確認してみましょう。

  • Webサイトに毎年の財務情報が公開されている
  • 認定NPO法人、公益財団法人、公益社団法人の法人格を取っている
  • 定期的な活動報告があり、協業企業との活動も報告がなされている

こちらの記事ではさらに詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

募金詐欺って本当にあるの?実際の手口と、簡単に見分けるポイント

豪雨や地震など災害が起きたら、どこに募金すればいい?

災害が発生すると、ニュースで連日その様子が報道され、心が痛みますよね。
「募金しよう!」と思う方も多いと思いますが、「でも、どこにどうやって募金すれば?」と躊躇して、心ならず後回しになってしまった……というもったいない声も。
そのような自然災害が起きた時の寄付先や寄付方法について、簡単に解説します!

活動に共感する支援団体に募金する

「必要物資をいち早く届ける活動をしている」「救命活動を行う」「被災者の心のケアを行う」「ひとり親家庭の生活を支援する」「飼い主とはぐれてしまったペットを保護する」……など、支援団体の取り組みは様々です。
自分がもしボランティアや支援スタッフになるとしたら、現地の方には何をしてあげたいでしょうか?

支援団体への寄付は、現場で活動するスタッフの活動資金にもなるため、すべてが現地の被災者に届くわけではありません。
「全額被災者に届けばいいのに」という気持ちもわかりますが、支援団体への寄付は間接的に被災地を支えることになります。

「自分のかわりにスタッフが活動してくれている。自分は彼らを後方で支えているんだ!」という気持ちで、支援団体を応援してみるとよいでしょう。

日本赤十字社を通じて義援金を送る

被災地の方々に直接、お金を届けたい……という場合は、日本赤十字社に義援金を寄付するのがオススメです。
日本赤十字社は災害ごとに義援金を募っており、集められた義援金は間接経費を一切かけず、全額が被災者へ配分されます。

平等に配分するという性質上、被災者の手元に届くまで時間がかかってしまいます。
スピード性よりも「とにかく公平に、お金を間接費なしで届ける」を重要視する場合に適しているでしょう。

溜まっているポイントを寄付する

普段の買い物で知らず知らずのうちに溜まっているポイント。
「 Yahoo!ネット募金」や、「楽天クラッチ募金」では、ポイントでの寄付が可能です。
かなり気軽に募金ができるので、募金初心者の方にもオススメです。

豪雨や地震の募金先を知りたい!災害が起きたら、どこに寄付すればいい?

募金箱はどこにある?いくら募金すればいい?募金の方法

募金するにあたって、どうやって募金すればいいのか、何円ぐらいが適切なのか……真面目な方ほど、気になってしまうんじゃないかなと思います。

思い立ったらすぐに募金できる代表は、コンビニなどに設置してある募金箱
買い物のついでに小銭を入れるだけで募金完了です。
お釣りで受け取った1円でもOKです。
その1円が積もり重なって大きな金額となり、困ってる人の支えになります。

大手のコンビニのレジ募金は、ファミリーマートでは「ファミリーマート夢の掛け橋募金」、セブンイレブンでは「一般財団法人セブン-イレブン記念財団」、ローソンでは「ローソン緑の募金」や「夢を応援基金」などの募金箱が設置されています。
いずれも、Webサイトを確認すると活動報告や財務状況を確認できますよ。

また、ユニセフの募金箱が置かれているコンビニ、ファミリーレストランなどもあります。
詳しくは下記の記事を参考にしてみて下さい。

ユニセフに募金する方法は?コンビニ募金箱から郵便局の送金まで5つの方法

その他にも、多くの支援団体のWebサイトではオンライン募金が可能。
クレジットカードや、銀行振込などで支払いが可能な場合が多いです。

団体によっては寄付の最低金額を「1,000円から」「500円から」と設定していることもありますが、それでも1回の外食をお弁当にすれば節約できるほどの金額。
「たった数千円でもいいんだろうか」などと思わず、無理のない金額で募金をしてみましょう。

税金がお得になるってホント?控除・確定申告の手続き

「寄付や募金をすると税金が安くなる」ということを知っていても、税金の話ってちょっと難しくてわからない…となってしまいがち。
ざっくりと簡単に説明します。

寄付での税制優遇は国の制度のひとつ。
まず重要なのは、「税制優遇の対象になる団体かどうか」ということです。

税制優遇の対象になる団体は、国、地方自治体、公益社団法人、公益財団法人、社会福祉法人、認定NPO法人など。
通常のNPO法人や一般財団法人、一般社団法人は対象とならないので注意が必要です。

では実際に、どれくらいの金額がどうお得になるのでしょうか。
ポイントは「寄付金額から2,000円を差し引いた額の40%」です。
この金額を、本来支払うべき所得税額から差し引くことができます。

例えば、その年に収める所得税が50万円で、その年に認定NPO法人に10万円の寄付を行った場合。

  • (寄付額-2,000円)×40%=控除額
  • (100,000円-2,000円)×40%=39,200円

この「39,200円」を50万円から差し引いて、納める所得税額が「46万800円」と少し安くなりました。
これが寄附金控除による税制優遇の仕組みになります。

実際は他に控除が発生する場合もあり、上記例のように単純ではありません。
あくまでもざっくりと「寄付金額の40%ほど税金が安くなるんだなぁ」と覚えておくとよいでしょう。

注意が必要なのは、会社勤めなどで確定申告が必要ない方。
寄附金控除を受けるには、確定申告が必須です。
年末調整だけでは寄附金控除は受けられないので気をつけましょう。

下記の記事で、さらに詳しく寄付と税金に関してまとめています。
「企業からの寄付は?」「控除の種類は?」など、もっと突っ込んだ内容を知りたい方はご一読下さい。

寄付すれば「税金が安くなる」って本当?節税のための5つのチェックポイント

まとめ:募金は手軽な社会参加!少額から始めてみよう!

その名の通り、「多くの人から広く募る」ことが特徴の募金。
金額の多寡は関係なく、必要なのは誰かを支えたいという気持ち。

「少ないけど…」と気にせず、気軽に募金してみましょう。
あなたの善意が、きっと困ってる誰かの支えになるはずですよ。

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