遺贈寄付とは?関心が高まる背景と寄付の種類、相続の進め方3ステップ

遺贈寄付とは、遺産を子どもや配偶者などに相続させる以外に、遺言に基づいて特定の個人や団体に譲り渡すことです。
「身寄りのない方が、遺産のすべてを寄付する」や「母校の大学の研究費に充ててもらうため3,000万円を募金する」といった例がそれにあたります。
 
遺贈への関心が高まっている背景や、その種類・方法についてまとめました。

62%が「遺贈に前向き」、高齢者の関心の背景には?

終活と遺贈に関する意識調査2017」(国境なき医師団)によると、アンケートで「遺贈に前向き」な回答をした人の割合は61.6%。
遺産を社会貢献のために使うことができる方法として、注目されています。

遺贈をすると決めた方や検討している方は、どんな気持ちで遺贈を捉えているのでしょうか?

よく聞かれるのは、「人生の集大成としての社会貢献」「生きた証しを残したい」「次世代への心の贈り物」といった言葉です。
「AERA」(2017.6.19号)で取り上げられていたケースをご紹介すると・・

・30年以上保育士として働いた女性は、3,400万円の遺産を「子どもたちのために使ってほしい」と寄付、遺産は保育園の絵本の購入に充てられた。
・動物園に通うのが好きだった男性は、動物園を運営する市に遺贈。チンパンジーの遊具などの購入費に使われた。
・別の男性は親友の働く地元の科学館へ遺贈。そのお金で購入した天体望遠鏡を使って、天体観測会が開催されるようになり、市民から人気を呼んでいる。

特に子どもや親類のいない方にとっては、ご自身が亡くなるとその財産は国庫へ納付されます。
それなら、「自身がお世話になった活動に恩返ししたい」「社会に願いを託すための方法として、活用したい」という気持ちもあるようです。

「遺産」や「相続」にまつわる寄付は、3種類あります

「没後に自身の財産を、子どもたちのために使ってください」
「故人の想いを受け継いで、教育活動に役立ててほしい」

こういったご相談は、私がNPO法人に勤めている時にも少なからずいただきました。
「遺贈」に限らず、主に3つの方法をとることが多かったので、まとめてみました。

タイプ1:遺贈寄付

先ほどもご説明したとおり、亡くなった方の財産をそのまま寄付するタイプです。

たとえご家族や親族など相続する方がいらっしゃる場合でも、遺贈にあたる分は相続対象となりません。
遺言書など法的書面によって、故人の財産から支援先にそのまま寄付が渡ります。

タイプ2:相続財産の寄付

続いては、遺産を相続するご家族などがその一部を寄付するタイプです。

故人の想いを踏まえる場合もありますが、寄付先や金額などを決めて手続きをするのは、相続した方ご自身。
寄付した分については、相続税の優遇制度も設けられています。

(参考)相続した遺産を寄付するには?税制優遇や手続き、支援先の選び方のポイント

タイプ3:お香典の寄付

最後に、お葬式のお香典を寄付するタイプもあります。

故人の親族や友人など葬儀への参列者からいただいたお香典を、遺族がそのまま寄付。
参列者からも「良いことをした」と喜ばれるケールも少なくないようです。

「支援先の検討」や「遺言書の用意」など進め方は?

最後に、遺贈寄付を検討する方はどのようなステップで準備をしていけばよいかを解説します。

ステップ1:情報収集には、NPO・NGOの資料や第3者機関のガイドブック・相談などを活用

「ご自身の財産の何を寄付するのか?」「その場合の税制優遇は?」「どの支援先を選べばよいのか?」などを考えて明確にしていきましょう。

情報収集・リサーチの方法としては、NPO・NGOなどがセミナーを開催したり、資料請求を受け付けたりしています。
勧誘や営業が心配な方は、第3者機関として、日本ファンドレイジング協会の発行する「遺贈寄付ハンドブック」を取り寄せたり、全国レガシーギフト協会「相談窓口」に連絡してみたりするとよいでしょう。

ステップ2:専門家やご家族、支援先を交えた、具体的な検討を

ご自身の財産のうち、何をどれだけ寄付するのか?について、具体的にしていきましょう。

寄付する財産のうち、現金や銀行預金ですとスムーズですが、家屋や土地などの不動産あるいは株券など有価証券の場合は、NPO・NGOの側も受け入れが難しかったり、手続きが煩雑になる場合があります。
弁護士や税理士など専門家にアドバイスをもらいながら、また支援を検討している団体と話し合いながら、

またご家族や親族などがいらっしゃる場合は、本来なら相続を受ける権利のある方の納得感の醸成も大事です。
特に「遺留分」を超えての寄付はトラブルになる場合があるので、被相続者に残す財産と寄付する財産の区分をはっきりさせていきましょう。

ステップ3:「遺言書」に落とし込む

最後に、これまで取りまとめてきたスキームを、「遺言書」に落とし込みましょう。

・「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」のどちらを選ぶか?
・遺言執行者を決める

といった法律上の要件をしっかりと確認して反映する必要があります。

独力で難しい場合がほとんどと思うので、弁護士など専門家に相談することをお勧めします。
大まかな流れについては、先ほども紹介した「全国レガシーギフト協会」のページに分かりやすく書かれています。

今回は遺贈寄付に関心が高まる背景や、その種類や進め方など大まかな枠組みについて説明しました。
具体的な手続き方法や税制優遇についてなど、いずれ時間を作って掘り下げて書いていきたいと考えております。

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